悔いばかりの選択[進撃の巨人][リヴァイ] (ページ5)

今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:5,660 hit

4話壁外と使命と。ページ5

それから数分もしないうちに、家に着く。

女にとって、久しぶりの家の中である。

貴「いってぇ…骨折れたわ。」

遠慮の１つもせず、陽気な雰囲気の彼女だったが、雰囲気が一変する。

貴「なんだよ。私を殺そうってか？

喉元にこんなもの突き立てちゃってさぁ、もっとレディーへの対応とか覚えろよな、坊っちゃん」

そう、女は喉元にナイフを突き立てられており、その先端を指で押さえていた。

？「誰がレディーだ！

そっちこそ人が立体起動つけてる時に乗ってきやがって！

リヴァイ！こいつは俺がやる！」

リヴァイと呼ばれた男は何も言わず、ただ眺めている。

貴「おいおいおい、殺そうとするなよ…
"立体"起動使ってる時に乗ったのは悪かったよ。

…だけどさ、家、なくて。
それにあんた達面白そうじゃん！

どう！私を仲間に入れてよ！
多分それなりに使えるよ？」

.

.

.

貴「なんてこともあったよね！ファーラン！！

懐かしいね！ファーラン！ねぇ！
なんで未だに殺そうとするの！やめろ！」

あれから月日は流れ、私は今、門の目の前にいる。

フ「俺はお前を認めないね。
さっさと食われちま「道連れにするから覚えとけ！」 …はっ、お前なんかに道連れにされねーよ」

あのあと、いろいろあったけど、リヴァイは仲間にしてくれた。

ファーランはいちいち突っかかってくるが、
イザベルはも～いい子だし、
リヴァイはイケメン…

なんだかんだ、楽しく生活してきた。
…言葉遣いも直されたしね…
…怖かった…あの足蹴り……

ゴホン。

…そして、これからが私の…

貴「長い使命の始まり…か。」

リ「なんか言ったか？A」

こちらをクールなフェイスで覗き込むリヴァイ。

貴「なんでもないよ、リヴァイ。

にしても、楽しみだね…初の壁外。」

何年ぶりに外の空気を吸えるのだろうか。

リ「あぁ。…だが…」

最後の方は、聞き取れなかった。
いや、聞きたくなかった。

団長の開門の合図によって、何百という調査兵団は一斉に動き出す。

それと同時に私と、私の心も動き出す。

気付けば目の前は壁外。広い広い、草原…

貴「私にもやることがあんだよ…リヴァイ。

"やれることはやれ、だが死ぬな"

…なんて。
…私は"やらなきゃいけないし、殺さなきゃいけない"んだよ、バカ…」

ボソリと呟いた言葉は誰にも拾われず、壁外の空気に混ざって消えていく。

目に涙を浮かべながら私は、
「壁外はやっぱ良いところだな…」

そう呟いた。