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26:志士 ページ26
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「…さ、とし…くん…」
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目の前にいる智くんは、怒っているのかそうじゃないのかわからない。いつもそうだ。
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智「相葉ちゃんはニノが見つけた」
かすかに微笑んでもいそうな表情で、智くんの口から言葉が紡がれる。
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怖い。
智くんが、怖い。
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昨日止まったはずの震えが再び起きて、思わず一歩後ずさる。
智「スマホの電源切ってたの？なんで？」
「……」
智「…まあいいや」
「……」
智「こんなとこで何してんの？帰るよ」
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いやだ。
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掴まれた右手を振り払うと、表情の変わらなかった智くんの眉が一瞬ピクリと動く。
智「A…」
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その声で私の名前を呼んでくれるのが大好きだった。世界で一番幸せとさえ思ってた。
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智「俺ら結婚すんだぞ！！おい！！」
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智くんとなら明るい未来しかないと、
確かに私は信じていた。
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作者名：みい | 作成日時：2016年12月3日 21時
