《3/29 更新》狂気乱舞【M.A/S.O】 (ページ18)

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18:昔話ページ18

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いつもより３つ手前の駅で降りて地下鉄の温風で煽られながら階段を上る。寒さに身をすくめ、誰もが下を俯きながら歩くオフィス街。

そんな中ひときわ新しさの目立つ、大野グループの新ホテル。

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オープン間際のホテルは、前に来たときよりも何倍も何十倍も立派になっていた。

関係者入口から中に入ると開放的で豪華、でも派手すぎないシックなロビーが広がっている。

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「どこだろう…」

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慌ただしくロビーを行き交う社員の人をちらほらと視界に入れながら周りを見渡し、智くんの姿を探していると

奥のエレベーターホールの方から声が聞こえた。

あ、きっとあそこだ。

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「智くーーー…」

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そんな刹那。

飛びかけた言葉は、その光景に思わず行き場をなくし

目の前は、瞬きさえすればもう少しまともな景色に変わるのではないかとさえ思われる。

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ねえ智、今日の夜もいつもと同じでいい？

…おう。

…ふふ、楽しみにしてる。

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見るな。聞くな。

頭の中でけたたましく警報音が鳴るが、目の前の信じられない光景が

彼にかけられている甘い声も、肩に置かれている手も、腕についているブレスレットも

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全てが今までと結びつき、点と点が繋がる。

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パリン…と割れたガラスの破片はもう、修復不可能だ。

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