《3/29 更新》狂気乱舞【M.A/S.O】 (ページ2)

今日:8 hit、昨日:0 hit、合計:42,846 hit

02:無知ページ2

.

智くんは大学のサークルの先輩だった。

.

智『A、おはよ』

『おはようございます』

.

周りのみんなが「かっこいい！」と言っているのは知っていたし、私もかっこいいなぁと思っていた。

可愛がってもらって、何回かご飯も連れて行ってもらって。

.

そんな智くんに告白をされたのは、私が大学２年生で彼が３年の夏のこと。

.

智『俺と付き合ってほしい』

.

.

志帆『はぁ？！大野先輩と付き合ってるだとお"？！』

『ちょっ、志帆声デカイ！！』

.

慌てて向かいに座る親友の志帆の口を塞ぐと、"苦しい！"と手を叩かれる。別に隠してるわけじゃないけど…ほら、なんというか…食堂なんかで言われると…

「もー…」と言いながら志帆の白身フライをとって口に入れるとタルタルソースが中で広がる。美味。

.

『っていうかさ、さと…大野先輩のことわかるの？』

お返しと言わんばかりの勢いで志帆が私の五目あんかけをとる。

.

.

志帆『いや、あんな大金持ち知らないわけないでしょーがよ』

.

『……』

志帆『……』

『…え？』

志帆『…え、まさか知らなかっただなんて言わないよね…？』

.

…そのまさかだなんて、言えない。

.

智『なに話してんの』

『さ、智くん…！』

智『A借りていい？えーっと…し、し…』

志帆『志帆です！いやーもうそんなんどうぞどうぞ！！』

『え、ちょっ、』

.

.

そんなの、聞いてない。

.