01:幕開 ページ1
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智「ご無沙汰しております」
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◇「おー大野くん。立派になって。……っと、そちらのお嬢さんはもしや？」
智「ええ。今日はご報告も兼ねまして…婚約者の仙道Aさんです」
「仙道Aと申します。智さんを支えていけるよう頑張りますので、今後ともよろしくお願い致します」
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"素敵なお嬢さんじゃないか"と微笑みながら立ち去った男性の背中に軽く会釈をする。
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「……はああああ…」
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人目につかないように息をつくと、隣の智くんがくすっと笑う。
智「A、緊張してる？(笑)」
「…見ての通り(笑)」
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煌びやかな会場
着飾った気品のいい方達
ところどころから微かに香る香水の匂い
隣に立つ智くんも質の良いスーツを着ている。
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キラキラしすぎていて立ちくらみがしそう。
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何もかも違う世界。
けど、ここがこれからの私の世界。
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「ちょっと涼んでくるね」
智「ん。俺も一通り挨拶終わったら行くね」
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人混みをそっと抜けバルコニーに出ると、少し肌寒い風が手先にしみる。
「さっきのローストビース、緊張で全然味わえなかった…」
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窓際でガクッとうなだれた私に待ち受けている運命があんなものになるなんて
きっと神様でさえ、知らない。
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作者名：みい | 作成日時：2016年12月3日 21時
