ありがとう ページ40
ほらね。
脳から幻の信号が耳に出てる。
脳がバグったら全部バグっちゃうんだ。
｢まあでも幻聴まで聞こえたら末期だよなあ…｣
『バカお前俺の必死の告白幻聴にすな』
｢え？え…え？今の、やまとが言ったの？｣
隣を見ればめっちゃ頷いているやまと。
あんびりーばぼーなんだけど。
好きな人が自分を好きだなんて奇跡だとよく言うが正にその通り。
この気持ちが実るなんて、ただの1度も。
一瞬たりとも思ったことはなかった。
しかもこんなにさらりと。
『ほんとは日本一取ってから言うつもりだったんだけどね』
『2回も、もう一生伝えられないかもって思ったから
言えるうちに言っとこうかなって』
｢…2回？｣
『Aが苦しんでた時と、2週間前』
あたしが苦しかった時にもう伝えられないかもと思った。
…ということは？
｢待って。いつから…？｣
『中学入ってからずっと』
高速を下りた。
途端に辺りは人工的な光で満たされる。
今、前方に見える一番近い色は赤色。
走りっぱなしだった車がようやく休息できる色。
そしてそれをいいことにやまとがクイとこちらを見る。
『気づいてなかった？俺なんとも思ってない子に夜中会いに行ったりしないよ』
｢友達だから当たり前、って言ってたじゃん｣
『素直に好きなんて言えるわけないでしょ。年頃だったし
あの頃Aイケメンなんていっぱい見てたじゃん。
俺のレベルじゃまだダメだと思ってたの』
青になる。
また、車が走り出す。
『同じ気持ちも味わったし、そろそろ隣に立てるレベルに来たんじゃない？』
もし本当に、彼があたしにそういう気持ちを抱いてくれていたなら。
ずっと分かっていないと思っていた。
けれど、真に分かっていなかったのはあたしの方。
｢…そうだね、やまと｣
少しだけ開けた窓から、夏の夜風が髪を揺らした。
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яeu(プロフ) - ららみさん» ご愛読ありがとうございました。ありがたいお言葉をいくつも並べていただけて大変嬉しく思います。新作を出した際にはぜひ覗きに来てください☺︎ (7月31日 19時) (
レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
ららみ(プロフ) - めちゃくちゃ好みど真ん中のお話で毎日更新されるのを楽しみにしていました😵💫💞完結は悲しいですがお話が素敵すぎて幸福感でいっぱいです、、！💘💘💘次のお話も楽しみにしています🫶🏻💓 (7月31日 0時) (レス) @page45 id: e947e550b2 (このIDを非表示/違反報告)
яeu(プロフ) - おりさん» ありがとうございます。ゆっくりではありますが確実に更新していきたいと思っております。 (7月13日 8時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
おり(プロフ) - 楽しく読ませていただいてます。ご自身のペースで更新頑張ってください！ (7月12日 21時) (レス) @page25 id: 7292fb39fb (このIDを非表示/違反報告)
яeu(プロフ) - meloさん» 線香花火も読んでくださったのですね、随分時間が空いてしまったのにも関わらず読んでくださることに感謝です。ありがとうございます。 (6月28日 18時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：яeu | 作成日時：2023年6月19日 20時
