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彼は目を開いていた。
瞬きせず、涙を流していた。
どこも見ないまま。
｢やまと、ねぇやまと｣
怖かった。
けれどそれ以上に、この彼の状態には覚えがあった。
数年前の自分と同じだ。
意図していない所で意識がシャットダウンされる。
無意識に脳が目の前の光景ややるべきことを処理しなくなって
自分が何をしてるのか分からなくなる。
こういう時目の前の幼なじみはどうしてくれたっけ。
｢やまと。1人じゃないよ｣
立ち尽くす彼の頬にそっと触れ、手で包んだ。
必要なのは人の温もり。
傍に、誰かがいる安心感。
焦点の合わなかった目に徐々に光が入り込み、彼が戻り始めた。
『A、』
掠れた声であたしを呼ぶ。
YouTubeを始めたばかりの頃でも
こんなに痛々しく弱々しい姿は見たことがない。
ゆらゆら揺れる瞳はそのまま彼の心を表している。
『ごめん、部屋間違えた』
｢そんなのどうでもいいよ。座って｣
『いや、俺チェック置きっぱなしにしてるから戻らなきゃ』
｢座って｣
座れるところはベッドしかないから、軽く体を押して座らせる。
｢今思ってること言ってみて｣
隣に座って手を握って。
視線はやまとから逸らさない。
数年前の彼の役目がどれほどあたしにとって救いであったか
脳裏に焼きつく姿を思い出しながら
今度はあたしがヒーローになろうと、握った手の力を強める。
目にかかる前髪のおかげで隣からじゃ表情はよく見えない。
やまとといる時には1度もなかった沈黙の時間が数分ほど過ぎた頃
彼が息を吸い込む音が聞こえた。
『もう、つかれた』
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яeu(プロフ) - ららみさん» ご愛読ありがとうございました。ありがたいお言葉をいくつも並べていただけて大変嬉しく思います。新作を出した際にはぜひ覗きに来てください☺︎ (7月31日 19時) (
レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
ららみ(プロフ) - めちゃくちゃ好みど真ん中のお話で毎日更新されるのを楽しみにしていました😵💫💞完結は悲しいですがお話が素敵すぎて幸福感でいっぱいです、、！💘💘💘次のお話も楽しみにしています🫶🏻💓 (7月31日 0時) (レス) @page45 id: e947e550b2 (このIDを非表示/違反報告)
яeu(プロフ) - おりさん» ありがとうございます。ゆっくりではありますが確実に更新していきたいと思っております。 (7月13日 8時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
おり(プロフ) - 楽しく読ませていただいてます。ご自身のペースで更新頑張ってください！ (7月12日 21時) (レス) @page25 id: 7292fb39fb (このIDを非表示/違反報告)
яeu(プロフ) - meloさん» 線香花火も読んでくださったのですね、随分時間が空いてしまったのにも関わらず読んでくださることに感謝です。ありがとうございます。 (6月28日 18時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：яeu | 作成日時：2023年6月19日 20時
