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未練 宮侑 ページ16

俺は兎原と付き合うことになった。



気づけば俺は兎原のことを下の名前で呼ぶようになっていた。



Aのことを忘れようと、赤の他人になろうと決心し、まだ心の片隅にAがいた時



ある体育の時間



Aが転倒して今まで見たことない大きな傷ができ出血していた。



細くて長い脚に血が垂れる。



今まではかすり傷とか打撲で怪我した自分を笑ってた。



流石に笑うレベルじゃなかったのか痛そうな顔のA。


気づけば俺は決心したことも忘れてAのことを目で追っていた。


侑「A兎「侑〜!」


侑「奈留か」


兎「奈留かって何〜侑ってば走るの速い〜」


「きゃぁぁぁ!」


周りが騒がしくなった。


目の前の光景に目を見開く。


そこには治がAを抱えていた。



Aは治が好き。



あの時知ったのに、感覚はあの日のまま。



二人を目の前にすると衝撃が大きかった。



治「お前が未練あんのか知らんけどあの時言うた通り俺、Aのこと好きやねん。」



昼休みに治に呼び出されてそんなことを言われた。


侑「俺には関係あらへん。一々報告してくんなや」



治「そうか?俺にはお前が未練たらたらに見えたけどな」


その言葉にイラッときた


侑「さっきから聞いてれば...何自分が勝ち誇ったような顔してんねん!」



治の胸ぐらを掴んだ。



真「侑!治!何やってんの!」



通りかかった真美が喧嘩を止めようと仲裁する。



真美の顔を見ると最近Aと一緒にいるのを見たことを思い出してイライラがさらに募る。



侑「Aは治のことが好きで、教室同じやのに気が小さいからってわざわざ遠回りで俺に近づいて治とカップルになろうと考えるやつやで?俺のこと色目使って騙しといて...そこら辺の喧しブタより極悪やで!?真美、お前もそんなやつと仲良くなって...可哀想やわ。お前もあいつに何の企み持たれとるか分からんで?」


違う...Aはそんな奴やない...わかっとるのに心とは裏腹に口はそんなことを言う。


パチンッ


乾いた音が廊下に響く。



真「っ...違う!Aはそんな人じゃない!Aは転校して友達が出来なかった私を助けてくれた...!侑だって...Aのそんなところ分かってるんじゃないの!?Aのことを悪く言わないで!!何も分かってないくせに!」


侑「?何もわかってないのはお前らや!」


先「おい!お前ら!」

先生に見つかり喧嘩が収まった。

ひとり→←侑くんみたいな治くん



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作者名:うぃるうぃる | 作成日時:2022年1月15日 23時

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