舞台裏*２ ページ47
英智はにっこりとお手本のような笑顔をたたえ、小さく首を傾げてみせる。
「さて、なんのことかな。そもそもあの契約書、君にみせた記憶がないのだけど」
「今の時代、壁に耳あり障子に目あり、あなたの元に日々樹ありですよ」
「わぁ。ストーカーの格言みたいだね」
この男、天使みたいな顔してナチュラルに毒吐きやがる。確かにどこぞのシニカル王子も言いそうだが。ゆうくんの元に盗撮器具あり。……閑話休題。
「試すなんて大袈裟だよ。ただ、あの子はどこまでお人好しなのかな、と興味が湧いてね」
「なんて言いながら、もしAくんが条件のことを話していたら……。貴方、秘密漏洩だなんだと言って報酬を払わなかったでしょう。手口が詐欺師のそれですね」
「詐欺師とは失礼な。法に則って、と記載してあるのだから当然のことだろう？」
いけしゃあしゃあと宣う。
その表情には少しの罪悪感もない。まるで悪戯を見破られた子供のように無邪気な顔をしている。本当に質が悪い。
渉は相棒であるハトをいつの間にやら出したのか、その子を自身の肩に止まらせると、人差し指で優しく頭をくすぐった。
「屁理屈ですね。まあ、私はそういうの嫌いじゃありませんけど」
「奇遇だね。僕も君のことが好きだよ」
「それはどうもありがとうございます。それで、結局あの子の結果はどうだったんです？ 」
「気になる？」
英智はクスリと笑ってみせる。
それからパソコンを起動させると、とある画面を表示させた。
「これは……」
「あの子の投票結果」
そこにはグラフがあり、下には黒い文字で「107」と数字が表示されている。つまり、閲覧数が百を超えたというわけだ。まだまだ更新されているようで、徐々に数値が増えていっている。
「DDDが終わったばかりだというのに、すごい数だね。燃え尽き症候群になってもおかしくはないはずなのに。それだけ、あの子のパフォーマンスが魅力的だったということかな」
「荒削りでしたけど、一生懸命で愛らしかったですからねぇ」
「愛嬌で乗り切るって感じだったね。素人感が逆に新鮮でウケたのかもしれないけれど……なかなか興味深い結果になった」
英智は目を細めると、静かに笑った。
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koeno(プロフ) - めっちゃ面白かったです！！素敵なお話をありがとうございました！もし続編を書かれるのであればぜひパスワードを教えていただきたいですー！！ (4月7日 0時) (
レス) @page49 id: 3ec6efc790 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 続編みたいです！ (4月2日 17時) (レス) @page49 id: 54e2cad7a6 (このIDを非表示/違反報告)
0nm3264922j626v(プロフ) - 続編めっちゃ読みたいです！是非！お願いします！ (4月1日 20時) (レス) id: 203b2c7fc8 (このIDを非表示/違反報告)
ただのヲタク(プロフ) - 続編読みたいです！すごく楽しく読ませてもらいました！ (3月30日 9時) (レス) @page49 id: 9a68619e2b (このIDを非表示/違反報告)
ダイ - もう、めちゃくちゃ面白かったです！受験勉強後回しにして(？)2日で読み終わりました！ぜひ！続編読ませて欲しいです！ (2月26日 23時) (レス) @page49 id: aa1dedb486 (このIDを非表示/違反報告)
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