lethal weapon*２ ページ28
しばらくして、蓮巳先輩はコホンと場の空気を引き締めるかのようにひとつ咳払いをした。
英智さんは少し残念そうにしながら、口元の笑みを絶やさずに「そろそろ本題へ移ろうか」と俺の目をじっと見つめそう言う。
「まず君をここへ呼びだしたのは、他でもない僕だ。敬人にお願いをして君を呼び出してもらった」
「なんでまたそんな遠回しな、」
と、そこで、この言い方はかなり失礼だなと気づいて、次第に声がしぼんでいく。
英智さんは俺の態度で何か察したのか、気にしないで、と一言添えて続けた。
「君の疑問は至極当然だ。呼び出すのなら、わざわざ人を使う必要はない。ただ、僕たちfineはまだライブもあったから忙しくてね……まあ他にも諸々あるけれど」
英智さんの声は柔らかいはずなのに、なぜかこれ以上は聞いてはいけない気がして、俺はこくこくと首を縦に振る。英智さんは、満足そうに顔を綻ばせた。
「呼び出した理由は、敬人が電話口に伝えた内容を聞いているのであれば、粗方理解はできているかな？」
蓮巳先輩の言った内容って……あれか、決勝戦の余興としてライブをしてほしいってやつ。
「因みに冗談とかそういう類では」
「ないよ」
「さいですか……」
バッサリと、容赦なく、それはもう素敵な笑顔で切り捨てられる。うっ、取りつく島もない。
「と言っても、たったあれだけを口頭で説明したくらいで君が了承してくれるなんて期待していないから安心してね。詳しくは書類としてまとめてきたから、目を通してくれるかな？」
英智さんに数枚の束になっている紙(なんか文字がめっちゃ羅列している)を渡される。
見出しのようなところには『DIVAへの出演依頼』と書かれていて、DIVAとはなんぞやと一瞬首を傾げたが、あ、俺のユニット名だわ、とすぐに腑に落ちた。
その後もなんとなく読み進ると、決勝戦へ出て欲しいなぁ、報酬もでるし、損はさせないよ〜、みたいな言葉が難しい言い回しで書かれてるっぽいというのは理解できた。
でもこれだけじゃあ難しすぎて俺の頭ではよくわかんないし、余計にこんがらがってきたため、
「簡単にちょっとだけ、ほんのちょっとだけでいいんで、言葉を噛み砕いて説明してほしいなぁ、なんて」
無理だろうなと思いつつそう言えば、はなからそのつもりだったのか、英智さんは心良く快諾してくれた。
持つべきものは、察しの良い生徒会長様である。
lethal weapon*３→←lethal weapon*１
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1812人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
koeno(プロフ) - めっちゃ面白かったです！！素敵なお話をありがとうございました！もし続編を書かれるのであればぜひパスワードを教えていただきたいですー！！ (4月7日 0時) (
レス) @page49 id: 3ec6efc790 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 続編みたいです！ (4月2日 17時) (レス) @page49 id: 54e2cad7a6 (このIDを非表示/違反報告)
0nm3264922j626v(プロフ) - 続編めっちゃ読みたいです！是非！お願いします！ (4月1日 20時) (レス) id: 203b2c7fc8 (このIDを非表示/違反報告)
ただのヲタク(プロフ) - 続編読みたいです！すごく楽しく読ませてもらいました！ (3月30日 9時) (レス) @page49 id: 9a68619e2b (このIDを非表示/違反報告)
ダイ - もう、めちゃくちゃ面白かったです！受験勉強後回しにして(？)2日で読み終わりました！ぜひ！続編読ませて欲しいです！ (2月26日 23時) (レス) @page49 id: aa1dedb486 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
