甘美な謀略*３ ページ43
「お気に召してくれたかい？」
「おいひいれふ」
ショコラを頬張りながら答える。
お菓子は勿論のこと、英智さんが淹れてくれた、この……なんだっけ。なんとかティーも凄く美味しい。
英智さんはふわりと柔らかな微笑を洩らすと、豪華な椅子に深く座り、デスクに肘をつき。自身の手を絡ませて、そこに顎を置いた。うわお。ゲンドウポーズ。
「ねぇA、君に大切なお願いがあるのだけど」
「んえ？ お願い、ですか？」
「うん。無理にとは言わないよ」
目が笑っていないように見えるのは気のせいかな。
というかこんなシチュエーション前にも経験したぞ？！ 瀬名先輩に騙されたときも、食べ物(パフェ)で釣られたんだ。なんというデジャヴ。どれだけ食い意地が張ってるんだ俺は。
「お願いっていうのは……」
「身構える話ではないから安心して。長話をすると敬人に怒られてしまうし、率直に言わせてもらおうかな」
張られた弦のような緊迫感があるなか、英智さんは心地よい声音で続けた。
「DDDの当日、裏方のお手伝いをしてもらいたいんだ」
ダメかな？と見つめてくる英智さんに、全然いいですよ！任せてください！と言いたくなるのをグッと堪える。だってDDDだよ？さすがに、さ。
無言で俯く俺を見て、英智さんが困ったように嘆息する声が僅かに聞こえてきた。そして気遣うように優しい声音で話しかけてくる。
「ごめんね、そこまで思い詰めてしまうなんて。先述の発言は撤回するよ、だから君も綺麗さっぱり忘れ」
「DDDってなんですか？」
英智さんの言葉を遮るようにそう言えば、英智さんは呆気にとられたような不思議な顔をした。因みに蓮巳先輩は眼鏡がズリ落ちた。なんかすみません。
えっとDDDだから、Dream Delicious Dessert……。なるほど、美味しいデザートの夢を見るってことか。なかなか興味深い。
「俺はマシュマロが良いです！」
「一体なんの話をしているのかは分からないけれど、Aが想像しているものは、まったく別物だと思うよ」
呆れたように額に手を当てて落胆する英智さんは、どうしてそうなったんだい？と独り言のように漏らした。
どうして、と言われても。マシュマロの上でお昼寝するのは人類の憧れだと思うんだけど。美味しいデザートの夢を見るのなら、大きなマシュマロの上でゴロゴロゆっくりしたいじゃん？
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yukki(プロフ) - 続けてくださって嬉しい限りです！これからも応援しながら作者様の作品を読ませていただきます！！ (2020年1月11日 23時) (
レス) id: c7ca82405e (このIDを非表示/違反報告)
すみぃ(プロフ) - 続けて下さってほんとに嬉しいです！！pixivあんまり詳しくなくて作者様の作品見れるか不安なんですけど勉強します！！これからも影ながら応援しております！頑張ってください！ (2020年1月11日 19時) (レス) id: f77c46eafb (このIDを非表示/違反報告)
「なる。」(プロフ) - 作者様の書き方がとても好きですし、凄く読みやすいと感じています。なので、占いツクールでの活動を続けるという決断をなされた事が、凄く嬉しいです。最後になりましたが、更新、楽しみにしながら気長に待ってます。 (2020年1月11日 12時) (レス) id: 61cc988ea5 (このIDを非表示/違反報告)
「なる。」(プロフ) - こんにちは。突然ですが、コメント失礼します。占いツクールでの作品の書き方ですが、台本書きでは無い他の作者様も大勢いますし、現に私も台本書きはしていません。書き方は作者様の自由なので、台本書きでも、台本書きじゃなくても、どちらでもいいと思います。私は、 (2020年1月11日 12時) (レス) id: 61cc988ea5 (このIDを非表示/違反報告)
Tatutatu(プロフ) - この作品とても好きです！続ける決断をなさってくれてとても嬉しいです……！ (2020年1月11日 10時) (レス) id: b586c3b914 (このIDを非表示/違反報告)
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