甘美な謀略*2 ページ42
驚いていると、蓮巳先輩の鋭い声がした。
「A、英智のガワに騙されと馬鹿を見るぞ。現に俺も、どこかの誰かさんがDDDなどという前代未聞のライブを開催すると宣言したせいで、やることが山積みだ」
「天才的なアイディアだろう?」
「そうだな。悪魔的に天災的なアイディアだ」
英智さんは楽しげに「敬人は硬いなぁ」と呟き、「Aはどう思う?」とこちらにウインクを寄越した。まるで天使のよう。そして反対に眉間に皺を寄せる蓮巳先輩。まるで般若のよう。……なんちって。
さーて。どう返しますかね。
ここで空気を読まず、そうですね!最高だと思います!なんて言ってしまったら。蓮巳先輩激おこ確定だ。ここは心苦しいけれど否定して……。
「えっと流石に」
「僕、生徒会長ね」
「流石に天才すぎます!!最高です!!ナイスアイディアです!!」
「うんうん。物分りの良い子は好きだよ」
俺、賢いからわかる。
この人、逆らっちゃダメなタイプだ。
優しい人だと思っていたのに! 笑顔で脅してくるなんて酷いと思わない? そう言えば、夏目さんも笑顔で脅してきたな。うわ、似た者同士じゃん!
「な、何卒命だけは……」
「英智。後輩いじめはそれくらいにしておけ」
「冗談のつもりだったんだけどなぁ。ほらA、そんなに怯えていないでこちらにおいで。美味しいお茶を淹れてあげよう。お菓子もあるよ」
子猫に近づくように「怖くないよ。ね」と笑いかける英智さんは、どこからどうみても天使だった。そのまま、そこに掛けて、と案内されてしまい、近くにあった椅子に座る。
デスクがきちんと片付いてるし、ファイルは色分けされてるし、几帳面な人なんだろうなぁ。ちょっと席お借りします。
「どんなお茶がお好みだい?」
「えっと、毒は飲めません」
思わず返すと。英智さんは愉快そうに肩を揺らして棚から茶葉の入った箱を取り出した。ついでにお菓子をもう片方の手に持ち、俺の目の前にゆっくり置く。
「すぐに淹れるから、これを食べて待っていて」
「わっ、ありがとうございます!いただきます!」
ショコラだ!嬉しい!
甘いものの登場、しかも金箔がかかっててキラキラしているとなれば、テンションが上がってしまう。
蓮巳先輩が呆れたような顔でボソリと「単純だな」って言った気がするけど無視!!
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yukki(プロフ) - 続けてくださって嬉しい限りです!これからも応援しながら作者様の作品を読ませていただきます!! (2020年1月11日 23時) (レス) id: c7ca82405e (このIDを非表示/違反報告)
すみぃ(プロフ) - 続けて下さってほんとに嬉しいです!!pixivあんまり詳しくなくて作者様の作品見れるか不安なんですけど勉強します!!これからも影ながら応援しております!頑張ってください! (2020年1月11日 19時) (レス) id: f77c46eafb (このIDを非表示/違反報告)
「なる。」(プロフ) - 作者様の書き方がとても好きですし、凄く読みやすいと感じています。なので、占いツクールでの活動を続けるという決断をなされた事が、凄く嬉しいです。最後になりましたが、更新、楽しみにしながら気長に待ってます。 (2020年1月11日 12時) (レス) id: 61cc988ea5 (このIDを非表示/違反報告)
「なる。」(プロフ) - こんにちは。突然ですが、コメント失礼します。占いツクールでの作品の書き方ですが、台本書きでは無い他の作者様も大勢いますし、現に私も台本書きはしていません。書き方は作者様の自由なので、台本書きでも、台本書きじゃなくても、どちらでもいいと思います。私は、 (2020年1月11日 12時) (レス) id: 61cc988ea5 (このIDを非表示/違反報告)
Tatutatu(プロフ) - この作品とても好きです!続ける決断をなさってくれてとても嬉しいです……! (2020年1月11日 10時) (レス) id: b586c3b914 (このIDを非表示/違反報告)
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