禁忌術*１ ページ19
「ん〜……美味しかった。ごちそうさま！」
屋上のベンチに腰掛けながらおもいきり背伸びをする。我ながら良い場所を見つけたと思う。
わんこ先輩と別れてから、さてどこでクッキーを食べようかと悩んでいると、廊下の奥まった場所に階段を見つけたのだ。
これは屋上に行けるのでは？と僅かな期待で来てみれば、予想通り癒し空間だった。
「ふぁあ、あ……」
お腹一杯に加え、まさしくお昼寝に最適な環境。おもわず欠伸が漏れる。
目に溜まる涙を拭い、少しだけと心のなかで言い訳をしながら横になる。瞳を閉じると意識はすぐに夢の中へと落ちていった。
───
──
─
「ん、んん……。あ、れ。いつの間に……？」
なんで俺、ベンチで寝てるんだっけ。
ぼうっとした状態で体を起こすと。
「……んぁ、何コレ？」
なんだか暖かいな、と異変を感じて。
見れば、制服のジャケットが掛けられていた。
はて。俺はきちんと着ているし。これはいったい誰のものなんだろう。
「おや、お目覚めかナ。Good Morning 子猫ちゃん」
ぶふぉ！！と。吹き出さなった俺を誰か褒めて。
「ぐ、ぐっどもーにんぐ、です」
声のした方を見れば。白いチョークを持ちながら屋上の床にイタズラ書きしている──
「起きたばかりで申し訳ないけド、もう少しで完成するところだから大人しくしててネ」
変な人がいた。
多分、関わってはいけないタイプの人だ。日々樹先輩やかなた先輩たちと同じ匂いがする(種族的な意味で)。
白衣を着ているし、数学の未解決問題とか、なんかそういう小難しい公式でも書いてるんだろうか。
「科学者なんですか？」
手持ち無沙汰で尋ねると、変なお兄さんはこちらを見向きもせず「んー……」と聞いているのか聞いていないのか、なんとも曖昧に相槌を打って。
「半分正解で半分不正解」
なんじゃそりゃ。
締りのない回答に俺が眉を顰めると、お兄さんはようやっと書き終えたのかチョークを地面に置いた。それから愉快そうに俺を見て、ふふ、と含みを持たせて笑う。
「魔法使い、かナ♪」
「………はい？」
まほうつかいって……。あの魔法使い？
「ほうきに乗ったり、黒猫を従えたり、頭におっきな赤いリボンを付けたりする、あの？」
「そウ、その魔法使い」
「西洋では集団リンチにあうとかいう？」
「まあそうだネ」
「………」
「……黙るのやめてくれル？」
お兄さんの視線から逃れるように俺は顔を背けた。だってまさか、そんな。魔法だなんて単語が出てくるとは思わないじゃないか！
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yukki(プロフ) - 続けてくださって嬉しい限りです！これからも応援しながら作者様の作品を読ませていただきます！！ (2020年1月11日 23時) (
レス) id: c7ca82405e (このIDを非表示/違反報告)
すみぃ(プロフ) - 続けて下さってほんとに嬉しいです！！pixivあんまり詳しくなくて作者様の作品見れるか不安なんですけど勉強します！！これからも影ながら応援しております！頑張ってください！ (2020年1月11日 19時) (レス) id: f77c46eafb (このIDを非表示/違反報告)
「なる。」(プロフ) - 作者様の書き方がとても好きですし、凄く読みやすいと感じています。なので、占いツクールでの活動を続けるという決断をなされた事が、凄く嬉しいです。最後になりましたが、更新、楽しみにしながら気長に待ってます。 (2020年1月11日 12時) (レス) id: 61cc988ea5 (このIDを非表示/違反報告)
「なる。」(プロフ) - こんにちは。突然ですが、コメント失礼します。占いツクールでの作品の書き方ですが、台本書きでは無い他の作者様も大勢いますし、現に私も台本書きはしていません。書き方は作者様の自由なので、台本書きでも、台本書きじゃなくても、どちらでもいいと思います。私は、 (2020年1月11日 12時) (レス) id: 61cc988ea5 (このIDを非表示/違反報告)
Tatutatu(プロフ) - この作品とても好きです！続ける決断をなさってくれてとても嬉しいです……！ (2020年1月11日 10時) (レス) id: b586c3b914 (このIDを非表示/違反報告)
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