馥郁と狼*２ ページ18
ハラハラしながらドアの前にいること数秒。
軽音部からわんこ先輩が出てきた。腕は……よし、見たところ正常だ。
「ほらよ、受けとれ」
「わわっ！？……っと、ちょっとわんこ先輩〜。投げたら危ないじゃないですか！」
抗議してみるも、わんこ先輩は我関せずといった様子でそっぽを向いてしまう。何歳ですか、まったく。不満に思いつつ手元を見ると。
「お菓子！」
「それでも食ってろ」
「いいんですか？！」
やったぁクッキーだ！
でもわんこ先輩はどうやってこれを？まさかとは思うけど、零先輩に腕を折られる覚悟で貰ってきてくれたのでは？！
「すみません！俺なんかのために──」
「ひなたが前に置いてったやつが残ってたんだよ」
「返してください俺の罪悪感」
謝って損した。よりにもよって後輩が置いてったやつとは。ひなたのなら確認が必要だろうし、勝手にいいのだろうか。
受けとるか迷っていると、わんこ先輩は焦れったそうに頭を掻いて威嚇するように言った。
「いいからそれ持ってさっさと立ち去りやがれ！こっちはテメェの匂いに我慢してんだよ！！」
「んなっ！ひ、ひどい！毎日お風呂に入ってますし、加齢臭って歳でもないのに！」
自分の匂いって分からないけど、人様に嫌がられるほど臭いなんてことない…よな？ えっうそ臭いの？本当に？不安になってきた。
試しに腕の匂いを嗅いでみる。が、やはり異臭がするわけでもない。
わんこ先輩はそんな俺の行動に呆れたようにため息を吐いて、それから面倒くさそうに舌打ちした。
「匂いが強いって意味だバカ！香水でも付けてんのか？女みたいな甘ったるい匂いさせてんじゃねぇよ」
「香水？」
してないが？
そんなオシャレアイテムは持ってないもん。持ってたとしても、わざわざ女子がするような甘い匂いを買うわけがない。……あっでもスイーツの匂いは欲しいな。お腹が空いたときとか活躍しそう。
「俺様は嗅覚が鋭いんだよ！テメェの匂いがプンプンして鼻がひん曲がりそうだぜ」
「うぐっ。わ、分かりましたよ！立ち去りますよーだ！」
鼻をつまむわんこ先輩にショックを受けながらも、俺はべーっと舌を出してその場をあとにした。
ふんっ、食べ物がゲットできればこっちのもんだもんねー！
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yukki(プロフ) - 続けてくださって嬉しい限りです！これからも応援しながら作者様の作品を読ませていただきます！！ (2020年1月11日 23時) (
レス) id: c7ca82405e (このIDを非表示/違反報告)
すみぃ(プロフ) - 続けて下さってほんとに嬉しいです！！pixivあんまり詳しくなくて作者様の作品見れるか不安なんですけど勉強します！！これからも影ながら応援しております！頑張ってください！ (2020年1月11日 19時) (レス) id: f77c46eafb (このIDを非表示/違反報告)
「なる。」(プロフ) - 作者様の書き方がとても好きですし、凄く読みやすいと感じています。なので、占いツクールでの活動を続けるという決断をなされた事が、凄く嬉しいです。最後になりましたが、更新、楽しみにしながら気長に待ってます。 (2020年1月11日 12時) (レス) id: 61cc988ea5 (このIDを非表示/違反報告)
「なる。」(プロフ) - こんにちは。突然ですが、コメント失礼します。占いツクールでの作品の書き方ですが、台本書きでは無い他の作者様も大勢いますし、現に私も台本書きはしていません。書き方は作者様の自由なので、台本書きでも、台本書きじゃなくても、どちらでもいいと思います。私は、 (2020年1月11日 12時) (レス) id: 61cc988ea5 (このIDを非表示/違反報告)
Tatutatu(プロフ) - この作品とても好きです！続ける決断をなさってくれてとても嬉しいです……！ (2020年1月11日 10時) (レス) id: b586c3b914 (このIDを非表示/違反報告)
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