慮外な約束*１ ページ36
「今ひとり？ それとも誰かと待ち合わせ？」
「ずっと見てたけど待ちぼうけくらってるじゃん。そんなひどいやつやめて俺らと遊ぼうよ」
さっきから陳腐なセリフばかり吐く2人組。
言われた通り店の前で待っていたらこの有様だ。こういう連中ってどうしてこう馴れ馴れしいんだろう。
に〜ちゃんが戻る前になんとかしなければ。悪化する未来しか見えん。
でもどうするか。男だって言ったのに退いてくれなかったし……。あっUFO！！ができるなら話が早いんだけど、あれが効くのはよっぽどの天然か相当なアホくらいだからなぁ。
「ほら行こう」
「っ、ちょ！やめ、さわんなっ」
「大丈夫だって！ 全部奢るし、絶対に楽しませる自信あるから」
掴まれた腕に鳥肌がたつ。
くっ！この手はできるだけ使いたくなかったが、止むを得ん。最終奥義、キャーちかーん(高音)をやるしか……！！と息を吸い込んだ瞬間。
「俺の彼女に何か用？」
俺とナンパ野郎の間に誰かが割って入ってきた。
突然の乱入者さんに、俺もナンパ野郎共もぽかんとする。この位置からじゃ乱入者さんの顔は見えないけれど、お兄さんだということだけはわかった。た、助かったのか？ ていうか彼女って……んん？？
ハテナを浮かべる俺を後ろに隠しながら、お兄さんが呆れた声で言う。
「ナンパなら相手見てやりなよ。恥かくだけだよ」
わお。くっそ煽りよる……。
余計に話が拗れる、と心配したのも束の間。ナンパ野郎共は苛立たしげに舌打ちしたものの、そそくさと逃げるように退散して言った。
「今どきあんなやり方してる人いるんだね。スマートじゃないしダサすぎ……。大丈夫だった？」
「あ、ありがとうございま──うげっ」
「……あのさぁ、うげ、はないでしょ。うげは。せっかく助けてあげたのに」
ごもっともで。
思わず顔を歪めた俺を見て。お兄さんが僅かに目を見開きながら溜息をついた。
「というか何してるの。『女の子』だと思って助けたのに……肩透かしなんだけど」
「俺としても、ナンパしてきた人にナンパされてるところを助けられるとは思ってもみなかったですよ」
「助けられた人の態度じゃなくない？」
「過去にナンパしてきたんだから、相応では」
ついてないなぁ、と見るからに肩を落とすお兄さん。
少しでも感謝の念を持ってしまった自分をぶん殴りたい。
「うわっ、かわいくないの……。ま、いいけど。じゃあね、次は絡まれないようにし」
「お、おめゃえ！おれのつれに何してるんらっ！！」
突然、後ろにグイッと引っ張られ、誰かの腕の中に引き入れられる。この声は──
「あっ、に〜ちゃん」
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苺バニラ(プロフ) - あんみつさん» コメントを返すのが遅れてしまい申し訳ありません、わざわざ教えてくださいりありがとうございます。確認次第すぐに直しますね。誤字のご指摘、助かりました！ (2020年5月2日 16時) (
レス) id: 04f16d165f (このIDを非表示/違反報告)
あんみつ - こんにちは。とても面白い作品で見入ってしまいました。半年前の作品に口を出して申し訳ないのですが、knightではなくknightsではありませんか？間違っていたら申し訳ございません。 (2020年4月19日 11時) (レス) id: e8e252d741 (このIDを非表示/違反報告)
苺バニラ(プロフ) - アルカリさん» いつもご愛読ありがとうございます！作者として、読者さまに面白いと言ってもらえることが一番嬉しいです！これからも、満足していただけるよう精進していきます(*´ω｀*) (2019年10月7日 18時) (レス) id: 563228d52f (このIDを非表示/違反報告)
アルカリ - 長文失礼します。苺バニラさんの、小説は面白くていつも見ています。これからも更新頑張ってください!長文失礼しました。 (2019年10月7日 17時) (レス) id: f17e38f5ae (このIDを非表示/違反報告)
苺バニラ(プロフ) - 錐餌八戸さん» コメントありがとうございます！零さんとの関係は家族てきな感じにしたいなぁと思っていたので、そう言っていただけると嬉しいです〜！これからも、おじいちゃんと孫コンビで頑張ってもらいたいですねぇ(*´ω｀*) (2019年9月15日 7時) (レス) id: 563228d52f (このIDを非表示/違反報告)
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