礼儀*４(付け足しました) ページ10
ダン、と司の机を思い切り叩いて立ち上がる。ぽかんとした司に、俺は自分を親指で示しながら告げた。
「俺は男だ！お、と、こ！」
「……新手のjokeですか？」
んなわけあるか。
「だから俺は男だってば！！」
バシバシバシ、と机を叩きながら訴えれば、司の小綺麗な眉間にぐっと皺がよった。心底意味がわかりませんといったご様子。
「どういう意味でしょうか……」とハテナマークを浮かべているもんだから、おうおうそこまで言うならその喧嘩買ってやろうじゃねえの、とヤケクソ気味に顔を近づけて。ハッキリと。きっぱりと。一言一句、丁寧に言ってやる。
「どういう意味も何も、俺は男なの。ノットウーマン、アイアム男！おーけー？」
「……ええっと？」
ああもう！ちゃんと理解して！！難しいこと言ってるわけじゃないんだから！
「だから──」
かくかくしかじか……。
正真正銘の男だということを懇切丁寧に説明してやる。
何が悲しくて自分が男だということを証明せねばならんのか、と途中で泣きたくなったけど、なんとか気力を振り絞って最後まで平常心を保った。メルタルは既に使い古した雑巾並みにボロッボロだけど。替え時ですよ。求む、新品メンタル。
「つまりAさ──Aくんは、女性扱いを脱却するため、この学院に来たというわけですね」
「うん……。まあ、そういうことだね……」
無理。泣きたい。
誰だ、無駄にカッコつけて野望とか言い腐ったやつ。……俺だわ。うう、穴があったら入りたい！いや、俺が掘るから誰か埋めてくれ！まじで頼むよ！！
しばらく考え込むように俯いていた司が、ゆっけりと顔を上げた。その表情はちょっぴり情けなく眉が垂れ下がっていた。
「勘違いとはいえすみませんでした。とてもかわいらし……あっ、ええっと、その……ちゅ、中性的！そう、中性的でしたので！」
「今絞り出しただろ」
「つい本音が出かけてしまって……」
だから、追い討ちかけるのやめて。
はぁと溜息を吐いた、その時だった。
キーンコーンコーンコーンと予鈴が鳴ると同時に、担任が教室に入ってきた。俺は前を向きつつ先生の言葉を右から左に聞き流す。
朝の告白といい、花瓶といい……。
──この学校、なんでこんなことばっかりなの！！！
＿＿＿
朱桜司……『男子校なのに可愛い女の子がいる→なるほど入学するために頑張ったんだな！』という思考回路。そもそも男だとは思わなかった人。
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苺バニラ(プロフ) - りなさん» ありがとうございます！そう言って頂けると、嬉しい限りです！更新が遅めになっていて申し訳ない気持ちで一杯ですが、これからも頑張ります！ (2019年8月20日 14時) (
レス) id: 563228d52f (このIDを非表示/違反報告)
りな - 凄く良かったです!!面白かったです!!更新無理をせず頑張ってください！応援します!! (2019年8月20日 10時) (レス) id: 55c1958e88 (このIDを非表示/違反報告)
苺バニラ(プロフ) - りさこさん» ありがとうございます(*´ω｀*)とっても嬉しいですし、励みになりました！りさこさんは優しい方ですね！今後も頑張ります!! (2019年7月29日 7時) (レス) id: 563228d52f (このIDを非表示/違反報告)
りさこ(プロフ) - 更新お疲れ様です！とにかく最高でした！！これからも応援してます！！ (2019年7月29日 0時) (レス) id: c7281289de (このIDを非表示/違反報告)
苺バニラ(プロフ) - 夜桜ナイフさん» ありがとうございます！時間が空き次第でよければ、拝見させてもらいますね！ (2019年7月14日 16時) (レス) id: 563228d52f (このIDを非表示/違反報告)
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