失恋 -翔side- ページ2
『翔ちゃん？』
ビールジョッキを握ったまま
一点を見つめて動かなくなった俺に
ニノが声をかけた。
「あぁ…ごめん。」
『大丈夫だよ、翔ちゃんのもの取ったりしないから』
ジョッキに口をつけながら
鼻でふっと笑った。
「別にそういう意味じゃ…」
『なんかずーっと色々悶々とさせてるみたいだから、ご本人様が来る前にすっきりさせときましょうか。なんだかんだ言っても、気になるでしょ？』
ジョッキを置いて
さっきまでのいたずらっぽい笑顔をやめ
真顔で再び頬杖をついた。
『俺ね、そもそも好きって感情がわかんねぇの。愛情が欠落してんのかね。』
「…」
『翔ちゃんが現れる前はね、支えてやりてぇとか守ってやんなきゃとは思ってたけど』
「…」
『キスしたい、抱きたいっつうんじゃなくて…ただアイツが笑っていられりゃよくてさ、隣にいるのが俺じゃなくても全然構わなかったんだよ。』
箸の先っぽを見つめながら話していたニノが
もう一度ジョッキを持ち上げて一口飲んだ。
「ニノさ」
『うん』
「本気で好きだったんだな…」
『えぇぇ！そーなの？！』
わざとらしく大声でリアクションする姿に
思わずつられて笑ってしまった。
『くくく。なんてね。』
「ニノ…」
『でもほんとにね、翔ちゃんで良かったと思ってるわけよ。翔ちゃんの言うところの好きな子(笑)？には、やっぱ幸せになってもらいたいし。あいつ、翔ちゃんといるとき、誰がどう見ても幸せそうだもん』
「ありがと…」
『大丈夫。もうとっくの昔に綺麗にそんな感情忘れてるから。今更なんで？ってくらいよ(笑)』
俺の目を見て微笑んだニノの目は
赤く充血していた。
恋愛感情が分かんないなんて
そう自分に思い込ませることで
長い時間をかけてやっと失恋できたんだろ？
いや、本当にできてるのか？
俺があいつを笑顔でいさせるから。
隣で守ってやるから。
ごめんな、
こんなことしか言えねぇけど
これが一番ニノが求めてることだよな？
お前がそれを望んで
前に進んでいくなら
俺も自分のやるべきことをするよ。
『さて、この話はおしまい。あと10分くらいで来るんでしょ？』
「そうだな。ちょっと俺トイレ行ってくるわ。」
立ち上がってニノの肩をポンと叩き
個室の襖を開けて外へ出た。
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もえ(プロフ) - 是非とも!!!読ませていいだきます!! (2015年8月12日 19時) (
レス) id: a8b48df7e1 (このIDを非表示/違反報告)
Love(プロフ) - もえさん» ありがとうございます（笑）すごい褒めてもらって嬉しい( ´艸｀)まだまだ続いてるのでよろしくです〜♪ (2015年8月12日 18時) (レス) id: a37b0e2bf9 (このIDを非表示/違反報告)
もえ(プロフ) - あぁ、次のお話に行く指がトマラナーイwこのお話面白過ぎですよ？w応援しています!!!!! (2015年8月12日 1時) (レス) id: a8b48df7e1 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - おはようございます！移行先でコメントさせていただきました♪ (2014年9月19日 8時) (携帯から) (レス) id: 0ade231d09 (このIDを非表示/違反報告)
Love(プロフ) - さくらさん» こんばんは！さくらさんもダメだったのね…残念…。誰が当たってるの？っていう倍率ですね。ハワイでの目撃証言、どんどん上がってきてますね。羨ましい！！ (2014年9月18日 23時) (レス) id: fba9c6dab2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Love
| 作成日時：2014年5月5日 0時
