平凡少女は今日も平凡に生きたい～日常編～ (ページ49)

今日:3 hit、昨日:18 hit、合計:51,284 hit

すれ違いの想いページ49

屋根の上にて……
喜「あ、やっと来ましたね、A先輩。」

『あ、喜八郎早い……。ここはよく星が見えて綺麗でしょ？気に入ってるんだよねー！』

喜「そうですね。僕も気に入りました。で、何かあったんですか？」

『いや？特に何も。』

喜「そうなんですか？じゃあ僕は戻ります。ここにずっといたら冷えますよ？A先輩も疲れてるでしょうし、早めに戻ってくださいね。」

『ありがとう。あの……いや、何でもない。』

喜「？……やっぱり、もう少し星を見ています。」

『そう。……あの頃のこと、覚えてる？』

喜「勿論です。あの時はありがとうございました。」

『覚えてたんだ。』

喜「そりゃあ、僕とA先輩が初めてあんなに喋った時ですから、覚えてますよ。」

『そっか。ねえ、喜八郎は今、こうやって忍術学園で学べて楽しい？』

喜「？楽しいですよ。」

『なら良かった。』

喜「ちょっと気が沈んでますか？」

『そう見える？』

喜「やたらと大人しいじゃないですか。」

『うーん、そうだね。実はさ、あることで落ち込んでて、いつもの場所に来たわけなんだけど。……いつもの場所でも落ち着かなさそうだったから、喜八郎といたら気が紛れるかな、なんて。ごめん、なんか利用する感じになっちゃって。』

喜「いえいえ、いつでも誘ってください。」

『ありがとう。……綺麗だね。』

『(この星空も、貴方の心も。)』

喜(星が……綺麗ですね。)