【BL】兄の行き過ぎた愛を弟は受け止めきれるのか

兄愛１６ ページ17

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路上で抱き合う男兄弟。
うん、不審だな。

とは言え、俺より力の強い兄が離さない限り、俺も離れられないのでどうしようもない。



「さーとし、病院行こうよ」

「...」

「ね、いこ？」



背中をさすってあげると、ノロノロと動き出した。
すると、物足りなかったのか俺の額にキスしてくる。



「...っ、お前さあ」

「痛い？」

「は？」



話を聞かず、子犬のような顔でそう問う兄。
痛いと言ったらきっとまたキスされるだろう。
ここは嘘でも誤魔化そう。



「痛くないよ」

「よかった」



そう言えば、ほっとした表情で笑い、また手を繋いで病院へと歩き始めた。

...今日はどうしたんだろう。



「...あ、聡」

「ん？」

「今日の夜ご飯、なに食べたい？」



そう、朝結んだ約束。
すっかり忘れていた。



「え、何いってんの？」

「え？」



真顔で言う聡。
そして俺の肘を指差しいった。



「怪我してるんだから、今日は俺でしょ？任せて、絶品料理つくってあげる」



自慢げにそう笑う聡。
なんだか、今日は兄らしいのでちょっとだけ甘えさせてもらうことにする。



「期待してるよ、お兄ちゃん」

「...！っ、うん！任せて！」



＿＿いつの間にか、俺の隣には兄が歩いてくれていた。

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