【JO1】Lotus (ページ13)

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「ん…」

随分と騒がしい朝。

ここでは珍しくて思わずベランダから覗くと

「何か…新鮮(笑)」

所々、洗濯物が干してあったり無かったりで
少し前までは誰もいない棟だったのに。

チラッと見えた駐車場では車に乗り込む人。

「今日も頑張って…」

聞こえないと分かってても声を自然とかけている自分。

さて、私はもう少し寝ようかな何て思っていたら
インターホンで呼ばれた。

「誰…え」

インターホン越しには…蓮くん。

「はい…」

＝川尻です。ちょっとだけ良いですか？=

急いで眼鏡をかけパーカーを着て
フードを被りゆっくりと玄関をあける。

「はい」

蓮「すみません、寝てました？(笑)」

「いえ…(笑)」

蓮「今日の夜、下のこの前話したところにでれますか？」

「…大丈夫です…けど」

蓮「夜、遅くなっちゃうんですけど
22時でも大丈夫ですか？」

「はい」

蓮「ありがとうございます。じゃあ行ってきます(笑)」

「あ、はい。行ってらっしゃい…(笑)」

華麗に去って行く、蓮くん。

え、まって。22時にって。

わざわざそれだけ言いに？何で？なんて思いながらも
目が完全に覚めた私は
部屋の掃除やらなんやらを始めて
時間までを過ごす事に。

緊張からかやたらに時計を見ては
時間が経つのが遅くてドキドキとモヤモヤと。

「うわ、なんだかんだ後、少しじゃん…」

でも約束の時間が迫ってきても
隣の棟の部屋に灯りが点かない。

…まぁ。忙しいよね。

それでも、私は言われた通り22時に下へと降りて行く。

「来るのかな…」

10分…20分…

待っても車の音もしなければ
人が来る気配も灯りがつく事もなかった。

「期待しすぎちゃダメだったかな」

時計を見れば30分が過ぎていた。戻ろうかな…

そう思った時
車の音が微かに聞こえたのと共に

蓮「ごめん！」

彼の声が聞こえた。