ある小説家、二度目の人生...なのか？

随筆が三十八遍 ページ44

「や、やめ､､､」
ズシャッ
､､､終わった。疲れた。何故、自分がこんな目に遭わなければならないのか。よく分からない。
同じ、“人”を消すという事は、生に関しての冒涜だ。
「首領補佐、こちら終わりました。」
部下が来た。どうやら終わったらしい。
『､､､よく頑張ったね。お疲れ様、後処理はしなくていいよ。処理部隊が来るから』
「分かりました。」
『後さ、先に帰っててくれる？一人になりたい』
「､､､御意」
ｰｰｰ
とにかく今は、一人になりたかった。それ以外何も考え付かなくて、色々な感情がぐちゃぐちゃになっては消える。
どんどん、感情が、心という名の箱からこぼれ落ちてしまう。無理やり拾おうとしても、時はすでに遅く、ボロボロで、急いで複製しても所詮はただの道化だから、その生活が辛い。叫んで、遂には発狂して気でも狂った方が良いのではないか。とも考えてしまう。
人という生き物が羨ましくて、それに一歩でも近づきたくて、自分は人でありながら人では無い。だから、その概念を作り、自分自身に押し付けた人間を恨み、羨ましがり、そして、人にあたる。
俺は、低脳な人間です。ただの、何かにあたり、何かのせいにする。そんな、ちっぽけな、何にも知らない唯仮初の舞台で踊っているマリオネットに過ぎない。
『､､､眠いなぁ。だけど、帰らなきゃなぁ、怒られる。怒られたら、面倒くさい。時間は貴重だから』
動きがぎこちない、木の枝の様な足を動かし、ポートマフィアに帰り、首領に全て報告した。
森「そうか。頑張ったね。ありがとう。」
『いえ、首領のお役に立てたのなら、』
森「､､､津島君、少し、変わったね。仕事には慣れてしまったのかな？」
『？どういう意味でしょう。』
意味が分からなかった。この人は何を云っている？
仕事のこと？違う。俺の事だ。この人は、俺が変わったと云った。
訳が分からない。自覚していない事なのかどうかも分からないから、俺が知るはずない。首領だけが分かる事だ。
森「､､､ううん。何もないよ、報告ありがとう。明日は休みだから、充分に休みなさい。君、疲れているみたいだからね。倒れられたら心配だ。君はウチの最高戦力、そして家族なんだから。」
『はい。』
ｰｰｰ
疲れている訳じゃぁ、ないのに。ただ日々が辛いだけなのに。
何故、こんなにも心配されなければいけないのか。
何故、こんなになってまでしつこく生きているのか。
､､､俺はまだ、一回死んだ癖に、生に未練があるのかもしれない。

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