まるたま (ページ5)

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ちびたまページ5

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「せんせー」

「ゆうたくんどしたのかなー？」

内向的な性格のゆうたくんは友だちがいないわけではないけれど幼稚園の中でもひとりでいることが多い。まあそんなゆうたくんに、ウザがられても懲りずにくっついてるのが常ににこにこしているとしくん。

今日もほら、おんなのこ達のおままごとに参加しているわたしにぎゅっと抱きついてきた。正座をしているわたしと立っているゆうたくんで同じ目線になるから本当にこどもってかわいい。

「せんせーぼくとあそぼー」

「いいよー、何しよっか」

「としくんぽかぽか」

「え、えっとー」

としくんぽかぽかとは簡潔にいうととしくんをひたすらグーで殴るあそびだ。もちろんわたしはやったことないけど通算１０００回は誘われてるかな。かわいい顔して考えていることはとてもこわい、ゆうたくん。

こどもの力だから全く痛くないけど教育的によろしくなさすぎる。毎回誘われても断るしやっているところを見かけたらすかさず止めに入るけど、やられている当の本人はやっぱりにこにこしてるからたぶん変なんだと思う。としくんもゆうたくんも。

「ゆうたくん、それはばってんだよ？」

「なんでー。としくんわらってるよ」

「いや、うん、まあそうなんだけど」

としくんが嫌がってない(むしろ喜んでる？)ならいいのかな。としくん以外にやってるところは見たことないし、ゆうたくん自身もそこのところわかっているのだろうか。

「ゆうたくん、先生ととしくんとつみきしよう！」

「つまらん。ぽかぽかー」

「つ、つまらんって」

そう言ってとしくんの元へ走っていった。

ぽかぽかされているとしくんは例に漏れずやはりにこにこしていた。まあ、そういう友好関係もあるか。(なかなかない)

Ｆｉｎ．