まるたま (ページ3)

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あつたまページ3

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「Aー、あついー」

「タオル変えてくるね。布団も薄い毛布に変えよっか」

「うー」

顔をまっかっかにしてあついーいたいーと嘆くゆうたくんがかわいそうだった。ゆうたくんは発熱すると頭痛がひどいらしい。あと身体の節々も痛くなるみたい。全力でお世話はするけど症状自体はどうもしてあげられないのがもどかしい。
しかも今回は風邪をこじらせた上での発熱でどうやらのども腫れているみたいで、つばを飲むのさえ至極つらそう。

「Aー…」

「うん、ここにいるからね」

手を握るとゆたんぽみたいにあったかくて、さっきタオル濡らすときに手が冷えたからちょうど良いかなと思った。

「ゼリーとかなら食べられる？」

わたしの問いかけにこくんと頷く。

「一番、りんご。二番、みかん。三番、マスカット。どれがいいですか？」

象の歩くスピードくらいの遅さでベッドから出てきたのは人差し指だけが立っている手だった。
これはわたしの性癖とでもいうのかわからないけど(少なくともゆうたくんに限ったことではある)ゆうたくんのつらそうなところとかわたしを求めるところを見るとウズウズしてきて、だから今の現状も可哀想ではあるけれどかわいいとかもうちょっと見てたいなんて不謹慎すぎることを思っているのも事実。

頭を撫でているとまあるい目が次第にとろんとしてきてそのうち寝息が聞こえてきた。

さて、りんごのゼリーを買ってこよう。

みかんとマスカットも買っておこう。

ｆｉｎ．