モノクロ

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「北山、今日はあと何があるんだ？」

「夜に五十嵐グループの会長とお食事です」

「わかった。俺だけか？」

「いえ、副社長もいらっしゃいます。
お食事と言っても、合併のお話が主かと」

「そうか」






社長である藤ヶ谷さまに拾われ、

今はその秘書として働かせてもらっている。


もちろん他に金をもらうツールも絶った。




「明日は休みだろう？ 俺も……ひろも」

「そーだよ」




藤ヶ谷さまの下で働くことになって、

恋人にもなって…



俺にとって白と黒でしかなかった世界が

太輔に出会ってからは光り輝いたんだ。




「久しぶりにゆっくりできるな」

「うん…んふ、嬉しい」




公私混合も甚だしいが、

俺と太輔は我慢できないからこれでいい。



腰に手を回されて、上を向くと

優しいキスが降ってくる。




もう昔の俺じゃない、だってこんなに愛されている。


もう一人じゃないから、孤独に抱かれる必要もない。



だって、太輔が抱いてくれる。







心のずっと奥底で
眠っていていいんだよ、哀しいお前は。


その代わり目覚めるんだ、情熱に滾る俺よ。







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