『舞い堕ちた天使』 ページ45
列車に揺られ、思い出すのは一年前。
あの日は、ひとりで列車に乗る孤独感に苛まれて結構つらかったことを思い出す。
さらに振り返れば二年前。
隣に座って一緒に列車に揺られながら、ポカポカの陽気が眠気を誘ったこともあった。
今はどっちに近いんだろう。
隣を見れば叶と目が合い、優しく微笑んでくれる。
後者だといいな、なんて思いながらしばらく経つと、目的駅まで来た。
『行こっか。』
「うん。」
『あ、お昼はあそこでいい？』
「うん。今度はオムライスにしようかな。」
『い〜ね〜！美味しかったよ、あそこのオムライス。』
「だろうね。顔が幸せそうだった。」
『んふふｗAも顔でわかるんだ？』
「喜んでるときはマジで顔に出るからね、叶は」
列車内では全然話さなかったけど、降りた途端にめっちゃ喋り始めたのも、あの時と一緒。
店内に入れば案内された席まで一緒。
『…ｗさすがにびっくりしたわ、、ｗ』
「だよねぇ、、ｗｗ」
運ばれてきたドレスオムライスをぺろりと平らげ、あの時と同じようにひまわり畑に向かった。
澄んだ空気を深く吸うと、懐かしい匂いがする。
「ああ〜きれ〜！！」
『やっぱいいねぇ。綺麗だわ〜』
向日葵畑に着くと、目の前に一面の黄色が広がった。
太陽に向かって咲く向日葵は、今年は一段と高く、大きく咲いていた。
こんなに綺麗なのにいつものごとく人がいない。もはや怪奇現象。
前回叶と一緒に来た時、ひまわり畑に入っていく叶が、本当に天使のようで、どこか恐ろしくて、消えてしまうのではないかって思ったのを思い出した。
まさかそれが比喩じゃなくなるとは思わなかったけど。
すると叶があの時と同じように向日葵畑に入っていった。
同じように目を瞑って、同じように向日葵に囲まれていた。
そして振り返ると、見せてくれたのは天使の微笑み、
ではなくて、
悲しそうな笑顔だった。
『ごめんね、A。』
あぁ、消えてしまう。
その直感に従って、天使に向かって走り出した。
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Loaro(プロフ) - 琥珀さん» よし、結婚しよう。（ごめんなさい） (2022年8月27日 22時) (
レス) id: 7d4f6a96b8 (このIDを非表示/違反報告)
Loaro(プロフ) - 香香さん» やりたかったことが完全に伝わってて嬉しいです…！汲み取る能力が素晴らしい…さてはお主、国語得意だな…？ってなりました！ここまで読んでくださりありがとうございました！！ (2022年8月27日 21時) (レス) id: 7d4f6a96b8 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - Loaroさん» 心の支えになれていたのなら良かったです、、！大丈夫です、既に他の作品も全て読んでます( *˙ω˙*)و ｸﾞｯ!どの作品も好きです！これからも応援してます！ (2022年8月27日 15時) (レス) id: 120e896437 (このIDを非表示/違反報告)
香香(プロフ) - とても、面白くて一気読みしていました。最初は､ハッピーなのに､途中から暗くなって、でもてぇてぇが多くて､最後泣きました笑｡完結､おめでとう御座います。いままで、ありがとうございました。 (2022年8月27日 13時) (レス) @page50 id: f83ea808de (このIDを非表示/違反報告)
Loaro(プロフ) - ハルカさん» ありがとうございます！！たくさんの方に読んでいただけて有難い限りです…！文才皆無ですが暖かい言葉をかけて下さりありがとうございます！！今後ともよろしくお願いします！ (2022年8月27日 2時) (レス) id: 1870c4dcab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Loaro | 作成日時：2022年5月8日 21時
