320、私の知らないところで ページ26
事件のあらましはこうだった。
影の組織に属している人体実験を行われた子供たちのデータをもとに軍事組織を作ろうとしていた天人が存在していたらしい。
それをいち早く察知していた松平長官は、一番に狙われていた私を養子にすることでその魔の手から逃そうとしていた。
しかし、緑の裏切りにより状況は悪化。
再度、影の組織に属している人間は狙われることとなった。
その最中、師匠はどうやら敵側の天人につかまり拘束されていたらしい。
それは行方不明にもなるはずだ。
最初のうちは師匠もつかまっているにも関わらずニコニコと日々を過ごしていたらしい。
しかし、天人の作戦を聞きブチ切れたと。
その結果船は半壊、赤や青の働きによってどうにか海の上で着地することには成功したらしいが、その天人の組織はすでに崩壊していた。
どうにかリーダーだった天人は生きているようだが、あまりにもひどい怪我で病院に搬送されたらしい。
それでも暴れ足りないと言う師匠の下に黒や赤がそれをどうにか落ち着かせようとしていたが難しく、
「それで私が呼ばれたのか……」
つい呆れたような声が出てしまった。
「しろはー、相変わらず可愛いなぁ」
頬ずりするように機嫌よく私のそばにくっついている師匠に、総悟がそれをむりやり剥がすかのように間に割り込んできた。
ものすごく不機嫌な顔をしていて、どうやら師匠と私がくっついていることが気に食わないらしい。
それが何だか嬉しくて思わず笑みがこぼれる。
「何笑ってんでィ」
「おやおやおやおや???キミが白の恋人かな?」
「だったらなんでィ。気安くさわらないでくれやすかィ」
「そうかそうか!はじめましてだね。どうぞ白をよろしくね」
「……言われなくても、」
「ところで白のどこが好き?おじちゃんに教えてごらん?」
天人の組織を1人で半壊させたとは思えないほどへらへらとした口調でかたりかけてくる師匠に、私が生きていたと男泣きしていた加藤の涙も止まった。
いつまで泣いてんだと思っていたから、泣き止んでくれたのはありがたいが……。
「つーかいい加減説明しろや」
強い口調で土方さんがそう言い放った。
説明したいのは山々だが私も何が起きているのかさっぱりわからずに、首をかしげて私にもわからないのだと伝える。
とにかく誰か説明してくれ頼むから。
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ぴっぴ(プロフ) - めちゃ面白かったです!執筆お疲れ様でした!!これからも応援してます! (2021年2月14日 11時) (レス) id: 4559ad2a7b (このIDを非表示/違反報告)
まあちゃん(プロフ) - とっても良い作品で思わず一気読みしてしまいました!こんな作品に出会えて良かったです、完結おめでとうございます! (2020年11月8日 3時) (レス) id: 0f8101d4ba (このIDを非表示/違反報告)
累(プロフ) - からしさんの作品どれも大好きです。また作品読ませて頂きます。 (2020年11月4日 21時) (レス) id: 755be2d6bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:からし | 作成日時:2020年7月11日 21時