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313、信じる者(別視点) ページ19

「まだ見つからねえのかっ!?」

ダンと強く叩きつけた車は少しへこみ、それすら気にもせずに十四郎は唇を噛み締めた。
総悟とAが『何者かに襲われて』崖から落ちてから既に二日が経過している。
未だに二人は見つかっておらず、また崖の下は鬱蒼とした森林であるが為に捜索は難航を極めていた。

行方不明になった当日着ていたと思われるAの『隊服』は血だらけでボロボロになった状態で発見されており命の危険も危ぶまれている。

「少し落ち着けトシ。あの二人が簡単に死ぬはずないだろ」
「Aは怪我してるんだぜ?!落ち着いていられるか!近藤さんはなんでそんな落ち着いてんだ!」

つい責めるように言ってしまい、十四郎は慌てて謝罪を入れた。
先程のは八つ当たりだったとすぐに理解できたからだ。

「Aと総悟は二人で一緒にいるんだろう?なら大丈夫だ」
「……どんな根拠があってんなこと言ってるんだ」
「総悟が好きな女一人守れないような男だと思うか?」

勲の言葉に総悟は口を継ぐんだ。

(近藤さんのいうとおり、確かに総悟は女一人守れねえ程弱くはねえ。けどあの隊服……、かなりひどい状態だった。あれがAが負った怪我だと考えると相当酷い怪我のはずだ)

「局長!幕府から電話が!!松平副隊長を殺人犯の容疑者として逮捕することになったって………っ!!」
「なっ?!」

山崎退の言葉に十四郎と勲は目を見開いた。

「一体どうなってやがる?!真選組は斬る事を認められてるはずだぜ?!」
「そ、そうだ!何故Aだけ……っ」
「わかりません!ですが引き渡さないなら真選組を共犯者として扱うことになると……っ!」

あまりの状況に十四郎は頭を抱えた。
幕府からの引き渡し要請に行方不明になったAと総悟。
(………ん?待てよ……?)

「……幕府からの引き渡し要請の直前に行方不明になった………?」
「副長、それって……!」
「確証はねえが……、総悟ならやりかねねえ。捜索は中止だ!引き上げるぞ!!」
「え?!トシ?!」

(俺の読みがあってるなら……)

「Aと総悟は死んだ。葬式の準備に取り掛かるぞ」
「はい!」
「え?!ちょ、俺にもわかるように説明して?!?」

(総悟、帰ってきたらただじゃおかねえぞ)

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設定タグ:銀魂 , 沖田総悟   
作品ジャンル:恋愛
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ぴっぴ(プロフ) - めちゃ面白かったです!執筆お疲れ様でした!!これからも応援してます! (2021年2月14日 11時) (レス) id: 4559ad2a7b (このIDを非表示/違反報告)
まあちゃん(プロフ) - とっても良い作品で思わず一気読みしてしまいました!こんな作品に出会えて良かったです、完結おめでとうございます! (2020年11月8日 3時) (レス) id: 0f8101d4ba (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - からしさんの作品どれも大好きです。また作品読ませて頂きます。 (2020年11月4日 21時) (レス) id: 755be2d6bc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:からし | 作成日時:2020年7月11日 21時

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