255、答え合わせ ページ10
流石に車の速度にはついてくれないらしい。
どうにか赤信を撒いたがあの傷じゃ赤信の体がもたない。
「本部まで向かう間に赤信の体が死んでしまわないか心配だ」
「あれは体が丈夫ですから大丈夫です。足を引きずっていたのは僕の麻酔弾によるものですから時間が経てば復活しますよ」
「やはり赤信に襲われたのか……」
「止めようと奮闘したんですよこれでも。……全く、僕は戦闘型じゃないというのに」
戦闘型じゃない青維が赤信をあそこまで追い詰めたのか……。
さすが影の中で随一の頭脳タイプというかなんというか。
「いい加減俺にもお前らの事を教えなせェ」
「…………しかしだな」
「いいんじゃないですか？白の恋人なら知っておくべきでしょう」
「青維？！」
何を言っているんだ一体！
「けどその前に緑をなんとかする必要があります。
……あなたを狙っていたのは緑です。それはなんとなく予想していたのではないですか？」
青維の言葉に私は返事ができなかった。
……その可能性があることは気がついていた。
私を恨んでいる人たちが多いのは分かっている。
けどその中で一番私を憎んでいるのは、他の誰でもない緑遠だ。
そう、可能性だけはあった。
ずっとそれだけはきっとない、という期待でどうにか押し込めていただけで。
黙っていればそれが肯定だと判断したのだろう。
青維はため息をついて言葉を続けた。
「あなたの存在が緑を追い詰めるのをやめさせていたんです」
「……え？」
「長官が、あなたが傷つくからどうにか緑を説得しようと試みていたようです。黒も歯痒い思いをしていたようですよ。さっさと始末して仕舞えばいいのにって」
「…………私の存在が、緑遠の始末を止めていた……？」
「おい青狸」
「青維です。……白が悲しむから、処分はしたくないと長官は言っておりました。あなたは失敗作ですからすぐ泣きますしね」
悲しげにそう言った青に総悟は刀をそっとしまった。
青維の言葉に何を感じたのかはわからないが、怒りは無くなったらしい。
「他の感情は乏しかったのに悲しいという泣く表情だけ覚えて……。生物兵器になるのか人間になるのかはっきりしなさい」
「……生物兵器？」
「後でそこもお教えしますよ。さっさと本部に向かってください。スピードが落ちていますよ」
………私は、一体どうしたらいいのだろう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 253人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
オートミール - こんなに読んで良かったと思ったことはありません\(>o<)ﾉ続きが気になります (2020年10月30日 0時) (
レス) id: 038dc633ea (このIDを非表示/違反報告)
だいふく(プロフ) - どのお話も面白くて可愛くて大好きです！更新楽しみにしてます。 (2020年8月23日 19時) (レス) id: 29daa5366e (このIDを非表示/違反報告)
ARMY52260289(プロフ) - 久しぶりにこんな面白い小説に出会いました。。。一気に読んでしまって勿体なく感じてます(._.)何度も読み返そうと思います！パン屋のレジ打ちさんもとても面白かったです。お気に入りの作者さんに登録させて頂きました。応援してます！ (2020年7月26日 17時) (レス) id: 5305a43fa0 (このIDを非表示/違反報告)
ミウラ(プロフ) - ほんとに面白くて好きです！更新楽しみに待ってます！ (2020年7月26日 12時) (レス) id: 3103cb23ea (このIDを非表示/違反報告)
からし(プロフ) - 餡子さん» コメント有り難う御座います！一気読みしてくださってとても嬉しく思います(о´∀`о) またお暇な時にでも見に来てくださったら嬉しいですー！ (2020年7月5日 21時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：からし | 作成日時：2020年6月16日 9時
