男装パンダは恋を大事にしたい【沖田総悟】6

291、理性を保つ ページ46

………やっぱりだ。

やっぱり、総悟は私に触れようとしてこなくなっている。

気が付いてから数日間どうしても気になってしまって観察をしていたのだが………、総悟は一切私に触れてこようとしてこない。
ただそれ以外は普通というか、前とあまり変わらないというか………。

だから今日、挑戦してみたいと思う。



いつも通りマンションで風呂に入って、意を決して居間へと向かった。
ソファーに座って携帯を見ていた総悟の隣に腰を下ろして小さく息を吸う。

「ん、上ったんで？」
「う、うん。………あのさ、総、」

手を総悟の手に重ねた瞬間それを振り払われて目を見開いた。
…………あ、れ。
もしかして、嫌がら、れた……？

「……悪ィ。ちょっとびっくりしちまって。……どうした？」
「あ、いや急にごめん。ゴミが、付いてるように見えたから」

咄嗟にそう言い訳をしてしまった。
それを総悟は信じたようで、そうかィ、と小さく呟いてから携帯を閉じて立ち上がる。

「それじゃ帰ろうぜ」
「……ん」





屯所に戻って布団を敷いて。
考えるのはさっきのマンションでの事だ。
明らかに手を、払われたよな？

………え、つまり。
触りたくなくなったから………、だから、触ってこなくなった？

どうしてなのだろう。
私は一体総悟に何をしてしまったのだろう。
わからなくてモヤモヤした心のままグルグルと同じことを考え続けた。

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