285、桜と共にやってきたのは ページ40
ついに桜の季節がやってきた。
私の一番好きな季節だ。
………だった、筈だったのに。
朝礼で、見覚えのある顔が局長の隣にいて口元を引きつらせた。
「まあ見て分かる通り女の子だが、とっつあん……松平片栗虎が認めるほどの戦闘技術を持っているらしい!皆女の子だからといって馬鹿にしたり除け者にしたりしないように!!
それじゃあ、自己紹介いいかな?」
「ん?分かったー!」
あの声色、あの顔、あの髪。
あれは間違いなく………。
「ボクは黒澤黒江だよー。黒って呼んでね?」
そう言って黒はにっこりと笑みを浮かべた。
ちょっと待って本当に待って。
なんで黒が真選組に入隊する事になっているんだ意味わからん!!
長官は一体何を考えてあんな気狂……、いやあの気狂い部分はもともと私のものだからそう言うのも何だか色々悲しいのだが、兎も角色々おかしいだろ色々と。
まず私の時は男だと偽って入隊したのに、黒の時はなぜそのままの性別なんだ。
というかどうして黒なんだ!
どうせなら赤信が良かったんだが!?
「配属はねー、三番隊だってー。アフロタイチョーしかいないのびっくりだよー」
そう言いながら投げてきたナイフをキャッチしながらため息をこぼす。
「その癖いい加減なおせ、黒」
「ええー」
ええー、じゃない。
お前がそうやって毎回毎回ナイフを投げるから総悟の機嫌が悪いんだよ分かってくれ頼むから。
「G、お前Aに付き纏うんじゃねェ」
「Gじゃないもん黒だもん、ハッチー」
「誰がハッチーだ誰が」
「蜂蜜みたいな色してるからハッチー。ボクお前嫌いだからー。白を取ったお前なんてこうだー!」
べしっと頭を叩こうとしてさらりと総悟に交わされる。
ちょっと、食事中は暴れるんじゃない。
そう言えば黒はぶすくれた顔をしたまままた椅子へと座った。
黒がきてから早くも三日。
揉めに揉めていた配属先も無事今日決まったらしいが……、三番隊隊長って確か斎藤さん、だったよな。
大丈夫なのだろうか………。
「つかお前、なんで俺にはナイフ使わねェの?」
そしたら正当防衛できるのに、とボソッと呟いた声は聞こえないふりをした。
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オートミール - こんなに読んで良かったと思ったことはありません\(>o<)ノ続きが気になります (2020年10月30日 0時) (レス) id: 038dc633ea (このIDを非表示/違反報告)
だいふく(プロフ) - どのお話も面白くて可愛くて大好きです!更新楽しみにしてます。 (2020年8月23日 19時) (レス) id: 29daa5366e (このIDを非表示/違反報告)
ARMY52260289(プロフ) - 久しぶりにこんな面白い小説に出会いました。。。一気に読んでしまって勿体なく感じてます(._.)何度も読み返そうと思います!パン屋のレジ打ちさんもとても面白かったです。お気に入りの作者さんに登録させて頂きました。応援してます! (2020年7月26日 17時) (レス) id: 5305a43fa0 (このIDを非表示/違反報告)
ミウラ(プロフ) - ほんとに面白くて好きです!更新楽しみに待ってます! (2020年7月26日 12時) (レス) id: 3103cb23ea (このIDを非表示/違反報告)
からし(プロフ) - 餡子さん» コメント有り難う御座います!一気読みしてくださってとても嬉しく思います(о´∀`о) またお暇な時にでも見に来てくださったら嬉しいですー! (2020年7月5日 21時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:からし | 作成日時:2020年6月16日 9時