281、後悔はして欲しくないから ページ36
「副隊長待ってくださいッス！」
「何モタモタしてるんでィ。置いていくぞ」
翌日、加藤を連れて私と総悟は見廻りをしていた。
総悟の力により無理くり連れて来られた加藤は困惑しながらも付いてくる。
「というか見廻りのルートじゃないッスよ！」
「赤猿が何か言ってるぜ？」
「猿じゃないッス！俺は午年ッス！」
「ああ、なんかそうっぽい」
「どういうことッスか？！」
勿論目的はももさんと会わせる為だ。
直行で団子屋に行っても加藤はついて来ない可能性があるし、そこではゆっくり喋ることも出来ないだろう。
だから事前にももさんには目的地で待っていてもらっている。
後は加藤をそこまで連れていくだけだ。
「言ったろう加藤。今日は寄り道をしたいところがあるって」
「言ってたッスけどこれ寄り道とはもう言えないくらいルートから離れてるッスよ？」
「細かい事は気にするな」
「気にするッス！！最近本当に隊長に似てきたッスね！？」
え、総悟に似てきたか？
視線を総悟に向ければ、何だか嬉しそうな顔をしていて慌てて目を逸らす。
な、何で嬉しそうなんだ………。
「ここッスか？」
辿り着いた目的地にはたくさんの梅の木が花で彩らせていた。
その光景に加藤は感嘆の息を吐く。
「す、すごいッスね。圧巻ッス」
「だろ？ここは私のお気に入りの場所なんだ」
影の仕事が苦しくて仕方がない時にたまたま見つけた場所で、丁度その時開花していた梅の花に『これから桜の時期だから頑張れ』と励まされたような気がして少し元気になった場所だ。
人を連れてくるのは初めてだったが、キラキラしている加藤の瞳を見て連れてきて正解だったななんて思いながら梅を見る。
暫く梅を眺めていると、強い風が吹き荒れた。
木の影から茶色の髪が靡き、加藤は目を見開く。
「あれ……？誰かいるッスよ」
加藤のその言葉が合図だったように、木の影から現れたのは。
「も、ももさん……っ？！ど、どういう事ッスか副隊長！！」
詰め寄ってきた加藤に強めにチョップを入れると、頭を押さえながら距離を開けた。
「後悔をして欲しくないからな。……ちゃんと、話し合ってこい」
「で、でもッスね、俺」
「カトー、本当に今のままで良いって思ってるんで？」
加藤は総悟の言葉に、黙り込んだ。
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オートミール - こんなに読んで良かったと思ったことはありません\(>o<)ﾉ続きが気になります (2020年10月30日 0時) (
レス) id: 038dc633ea (このIDを非表示/違反報告)
だいふく(プロフ) - どのお話も面白くて可愛くて大好きです！更新楽しみにしてます。 (2020年8月23日 19時) (レス) id: 29daa5366e (このIDを非表示/違反報告)
ARMY52260289(プロフ) - 久しぶりにこんな面白い小説に出会いました。。。一気に読んでしまって勿体なく感じてます(._.)何度も読み返そうと思います！パン屋のレジ打ちさんもとても面白かったです。お気に入りの作者さんに登録させて頂きました。応援してます！ (2020年7月26日 17時) (レス) id: 5305a43fa0 (このIDを非表示/違反報告)
ミウラ(プロフ) - ほんとに面白くて好きです！更新楽しみに待ってます！ (2020年7月26日 12時) (レス) id: 3103cb23ea (このIDを非表示/違反報告)
からし(プロフ) - 餡子さん» コメント有り難う御座います！一気読みしてくださってとても嬉しく思います(о´∀`о) またお暇な時にでも見に来てくださったら嬉しいですー！ (2020年7月5日 21時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：からし | 作成日時：2020年6月16日 9時
