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272、悩んだ時間を返せマジで ページ27

「打撲に捻挫……、擦り傷と疲労による発熱。……お前馬鹿だろ」

総悟にそう言われて、私は力なく笑った。
あの事件の後、どうやら私は無理が祟ってぶっ倒れたらしい。
先ほど総悟が言ったようにまあ色々体の不調が出てしまって寝込んでしまったようで。
真選組の一人として情けない気分である。

「無理すんなってあれほど言っただろうが、この馬鹿」
「馬鹿は否定させてくれ。あの時は夢中だったから全然気がつかなかったんだよ」

頬に受けた傷くらいだと思っていたのに、それ以外に色々怪我してることに自分が一番びっくりしているのだから。

「それで、緑遠はどうなった?」

布団に寝かせられて、額に置いてあった濡れタオルを総悟が取ってまた冷水に浸すのを見ながら問いかけると、何も答えないままタオルを絞ってべちょっと私の額に押し当てた。

「つめたっ」
「お前なー、起きて早々気にするところそこ?」
「いやだって、どうなったか知りたいだろ……?」
「……はぁ………。場所は知らねえが、無事江戸から出せたらしい」

そうか、よかった。
これで一応一件落着……なのかな。

「とっつあんから伝言でィ。……影はないものとして扱われることが決定した。お前の居場所は完全に真選組になったっつーわけだ」
「……そうか、そう……なのか」

影は解散、かあ。
嬉しいような寂しいような……少し複雑な感情が入り混じりそっと目を閉じた。
影の仕事は辛くて苦しかったけど、仲間は、とても大事だった。

「んで、性別についてだがあっさりとっつあんがみんなにバラしていったぜ」
「はあ?!!?」

がばりと体を起こせば、熱のせいかグラグラと頭が揺れて倒れ込みそうになる。
それを総悟が支えてため息をはいた。

「何してるんでィ」
「いや、だって………はあ???」
「いやー、みんなの反応凄かったぜ。あれは動画にとっとけば良かったなァ」
「なんのためにこれまで頑張ってきたと思ってるんだ?!」
「はいはい騒ぐんじゃねェや。まあそういう事でAは真選組唯一の女隊員になったわけでィ。いやー、花があるなァ……?」

揶揄うようにそう言った総悟の胸元を押して布団にパタリと倒れ込んだ。
もう、意味わからん………。
あの時の私の悩みに悩んだ時間を返せ………っ!

273、都合が良い→←271、簡単にバラされる真実(別視点)



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設定タグ:銀魂 , 沖田総悟   
作品ジャンル:恋愛
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オートミール - こんなに読んで良かったと思ったことはありません\(>o<)ノ続きが気になります (2020年10月30日 0時) (レス) id: 038dc633ea (このIDを非表示/違反報告)
だいふく(プロフ) - どのお話も面白くて可愛くて大好きです!更新楽しみにしてます。 (2020年8月23日 19時) (レス) id: 29daa5366e (このIDを非表示/違反報告)
ARMY52260289(プロフ) - 久しぶりにこんな面白い小説に出会いました。。。一気に読んでしまって勿体なく感じてます(._.)何度も読み返そうと思います!パン屋のレジ打ちさんもとても面白かったです。お気に入りの作者さんに登録させて頂きました。応援してます! (2020年7月26日 17時) (レス) id: 5305a43fa0 (このIDを非表示/違反報告)
ミウラ(プロフ) - ほんとに面白くて好きです!更新楽しみに待ってます! (2020年7月26日 12時) (レス) id: 3103cb23ea (このIDを非表示/違反報告)
からし(プロフ) - 餡子さん» コメント有り難う御座います!一気読みしてくださってとても嬉しく思います(о´∀`о) またお暇な時にでも見に来てくださったら嬉しいですー! (2020年7月5日 21時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:からし | 作成日時:2020年6月16日 9時

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