268、事態は加速している ページ23
「長官………」
「ご苦労さん。緑遠が作ってた組織の残党もしょっぴき終わったからこっち来たぞ。こっちも、もう済んだみてえだなあ」
さすが長官、仕事が早いな……。
こっちが赤信と対峙してる間に組織の壊滅を完了させるなんて。
「よう緑遠。お前さん派手にやってくれたなあ」
「…………」
「おかげで部下が数人怪我しちまったぜ全く。……まあそれはいい。分かってるな?」
「………はい」
長官は緑遠のそばまで寄って、縛られたまま動かない彼女の姿を見てため息をこぼした。
「チョーカン!ボクがやりたい!」
「ダメだっつーの。ちゃんと警察本部で処分することになってるんだからな」
「いやーそれがちょっと問題が発生しそうなんだよな」
長官の言葉に、みんなが目を見開いた。
どういう事だ?
「影をよく思ってねえ天人どもが介入してき始めてなー、今ちょっと揉み消そうとしてる最中だ」
「それはつまり影全員を処分しろ、と言ってきていると解釈しても?」
青維の言葉に長官は、もっとオブラートに包めよ、と言いながら頷いた。
……確かに天人たちにとっては影は目の上のタンコブだ。
元々天人を倒すために結成された組織なのだから尚更だろう。
「つー事で、影自体が解散になる」
「?!」
影が解散?!
「ちょ、おいまっつん聞いてねえぞ!」
「さっき決まったからなー。ないものを処分できないだろ?」
「それはそうかもしれませんが、そんな事で天人たちが納得しますか」
その通りだ。
問題が発生したから解散します、だけじゃきっと納得しないはずだ。
「だから、元々なかったことになるっつー事だ。こんな事もあろうかと色々裏工作はしてたんだよなあ」
「え、」
「な訳で、緑遠を警察で処分することはできなくなった。……だから、元仲間であり被害者である赤とAに決めてもらうことにする。青、黒、異論はねえな?」
「ある!」
「よしないな」
「ボクの意見は無視ー?!チョーカンのイケズー!!!」
「僕は異論はありません。こうなった以上そうするのが妥当そうですから」
「青にいまで!!」
小さく笑みを浮かべてふっふっふ、と笑い出した青に思わず顔が引きつった。
黒を慰める算段でもしてるんだろ……、青維は。
本当こういう状況でもぶれないというかなんというか。
253人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
オートミール - こんなに読んで良かったと思ったことはありません\(>o<)ノ続きが気になります (2020年10月30日 0時) (レス) id: 038dc633ea (このIDを非表示/違反報告)
だいふく(プロフ) - どのお話も面白くて可愛くて大好きです!更新楽しみにしてます。 (2020年8月23日 19時) (レス) id: 29daa5366e (このIDを非表示/違反報告)
ARMY52260289(プロフ) - 久しぶりにこんな面白い小説に出会いました。。。一気に読んでしまって勿体なく感じてます(._.)何度も読み返そうと思います!パン屋のレジ打ちさんもとても面白かったです。お気に入りの作者さんに登録させて頂きました。応援してます! (2020年7月26日 17時) (レス) id: 5305a43fa0 (このIDを非表示/違反報告)
ミウラ(プロフ) - ほんとに面白くて好きです!更新楽しみに待ってます! (2020年7月26日 12時) (レス) id: 3103cb23ea (このIDを非表示/違反報告)
からし(プロフ) - 餡子さん» コメント有り難う御座います!一気読みしてくださってとても嬉しく思います(о´∀`о) またお暇な時にでも見に来てくださったら嬉しいですー! (2020年7月5日 21時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:からし | 作成日時:2020年6月16日 9時