男装パンダは恋を大事にしたい【沖田総悟】6

248、これだから酒は嫌い ページ3

気分スッキリ目が覚めて、グッと体を伸ばした。
なんだかいつもよりもぐっすり眠れた気がするなー、なんて思いながら体を起こす。

「……おはよう、A」
「え？ああおはよう」

珍しく早起きしていた総悟に声をかけられて隣にいた総悟を見る。
………早起きじゃなくてもしかして寝てない？

「どうしたんだ？クマが……」
「お前……なんも覚えてねェ……よなァ……。はあ………」

ん？そう言えば、私いつの間に布団に……というかいつの間に寝た？
よく思い出せ昨日なにしたっけ。
確か正月だーって騒いで飲み会になって、隊員に酒ぶっかけられて局長に風呂に行くぞって手を引かれて……。

……嘘だろ？
まさか、そんな。

「そ、総悟どうしよう」
「何か思い出したんで？」
「私局長と一緒に風呂に入ったかもしr」
「そりゃあねェよ！！きっちり止めました！！」

あ、よかった。
局長と風呂に入って性別バレたかと思った。

「よかった……」
「よくねェ！お前服脱ごうとしてたんだぜ？！」
「えっ」

服を……脱ごうとしてた？！
嘘だろ？！
なんと言えばいいかわからずにいたら総悟がカッと目を見開いた。

「つかあんだけ色々やっておいて忘れてるとかなにそれ拷問？！」

拷問？！
一体私はなにをしたんだ？！

「畜生動画撮っておけば良かった……っ！」

荒ぶって枕に顔を埋めた総悟に呆気にとられる。
こ、こんな情緒不安定な総悟を見たのは初めてかもしれない。
一体なにをしたんだ本当にっ。

「な、なにをしたんでしょうか……？」
「………教えねェ。絶対教えてやらねェ」
「えええ……」
「ああー……畜生……。あんな可愛い事しておいて忘れてるだなんて酷い奴でさァ……」
「ちょっと待ておい」
「その所為で一睡もできなかったっていうのにAはスッキリしたような顔して……」
「待って本当に私なにをした？？」
「眠くて死にそうなのになー」

ちょっと待って本当に待って。
一体私はなにをした。

「酷いなー、俺泣きそうだなー」
「おい棒読みだぞ？！」
「つーわけで今日はのんびりしやしょう。見回りもなければ書類も今日はなし」
「えええ……」

確かに正月はいつもより少ない人数で見廻りを一日毎交代でやろうって話になっていて今日は特に予定もなにもないけれど……。
一応仕事の日だぞ？

「というか話をはぐらかさないでくれ。本当に何をした？謝りたいのに何をしたか分からないんじゃどう謝罪していいか分からないじゃないか……」

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