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258、決定事項 ページ13

「まあとにかく……。Aさん、もらった茶葉を最後に飲んだのはいつですか?」
「………確か……、吹雪の件の時が最後だったか?」
「そうだなァ。あの茶葉異様に近藤さんが気に入ったらしくて一人でほとんど飲んじまいやしたから」
「吹雪の日ですか……、それならもう効力はないと思われます。
それにしても……毒が入っている人には中毒性があるみたいなんですけどね」

中毒?

「飲みたいなんて思ったか?」
「中毒と言われるほどのものはなかったが……」

私の返答に曙は考えるような仕草をした。
赤信はその中毒性にやられたっていうのか……?

「ちなみに毒を受けてない奴が飲んでも大丈夫なんだろうな?」
「それは問題ないですよ。ちょっと情緒不安定になる作用はあるようですけど」
「……情緒不安定になる作用?」
「もしかして心当たりでも?」

…………確か吹雪の後、総悟と少し仲違いしていたよな?
あの時にもし赤信と同じ目に合っていたら……。

ぞくりと体が震えた。
綱渡り状態だったことが今になってわかった気分だった。
それは総悟も同じ事を思ったのだろう。
眉間にシワを寄せて考え込んだ後、私の手を握った。

「ちょっと、危なかったかもしれねェっていうのが後からわかると気持ち悪いなァ」
「そうだな……」

あのまま、私が総悟と話し合う事をしなければ。
もしかしたらあの赤信の姿は私だったかもしれない。
その矛先は、きっと総悟で。

「……むう。白が大人しく触れられてるの納得いかなーい」
「そうですよね。僕も納得がいきません」
「俺もなんだかすごく複雑な気分……。これ総悟撃ったら嫌われるよなあ俺」

あ、しまったここは長官の部屋だった。
慌てて離れて咳払いを一つする。
ちょ、ちょっと恥ずかしい。

「と、とにかく今は赤信をなんとかしなくてはならないですよね。緑遠の居場所は掴んでいるのか黒」
「もちろんバッチリだよー?ボクから逃れられるわけないじゃーん」
「……緑をどうするつもりですか?長官」

青維の問いに、長官はサングラスをかけ直すと。

「………処分する。これは決定事項だ」

そう小さく呟いた。

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設定タグ:銀魂 , 沖田総悟   
作品ジャンル:恋愛
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オートミール - こんなに読んで良かったと思ったことはありません\(>o<)ノ続きが気になります (2020年10月30日 0時) (レス) id: 038dc633ea (このIDを非表示/違反報告)
だいふく(プロフ) - どのお話も面白くて可愛くて大好きです!更新楽しみにしてます。 (2020年8月23日 19時) (レス) id: 29daa5366e (このIDを非表示/違反報告)
ARMY52260289(プロフ) - 久しぶりにこんな面白い小説に出会いました。。。一気に読んでしまって勿体なく感じてます(._.)何度も読み返そうと思います!パン屋のレジ打ちさんもとても面白かったです。お気に入りの作者さんに登録させて頂きました。応援してます! (2020年7月26日 17時) (レス) id: 5305a43fa0 (このIDを非表示/違反報告)
ミウラ(プロフ) - ほんとに面白くて好きです!更新楽しみに待ってます! (2020年7月26日 12時) (レス) id: 3103cb23ea (このIDを非表示/違反報告)
からし(プロフ) - 餡子さん» コメント有り難う御座います!一気読みしてくださってとても嬉しく思います(о´∀`о) またお暇な時にでも見に来てくださったら嬉しいですー! (2020年7月5日 21時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:からし | 作成日時:2020年6月16日 9時

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