257、穴があったら入りたい ページ12
「この茶葉には、赤薔薇の毒との親和性がありました。
……簡潔に言えばちょっと脳みそに回った毒と混ざって、体の自由を一定時間奪う物です」
その言葉に私は目を見開いた。
それならば私も。
「なら白をやはり隔離しなくてはならないですね」
「いえ、その必要はないと思います」
曙の拒否に青は不思議そうな顔をして首を傾げた。
確かに、なぜそんな断定できるのだろう。
「これは精神力が弱っている時にしか効果がありませんし、効果時間もそこまで長くはありません。赤信さんはあの戦闘で負けた事を引きずっていたからどうやら毒が効いてしまったようですが……、Aさんには誠に残念ながら、本当に残念ながら？一応？沖田隊長殿がいますから？」
その言葉に部屋が静かになった。
……んと、どういう事？
「つまり俺に何もなければAが洗脳される事はねェって事ですかィ」
「そういう事です」
ちょっと待ってなんで二人はわかってるんだ？
わからなくて長官の方を見たら、にっこりと笑みを浮かべられただけで、ええ……とつい言葉を漏らす。
「つまりー、白はその茶髪が大好きだから、今すごく強いって事ー？」
「？！」
「ちょっと違いますよ。お互い思いあってるから強いんです。黒、僕と思い合いましょう？」
「いやー」
「そ、そんなあ………」
ちょ、待って待って。
つまり私は総悟と恋仲だから、今大丈夫って事……？
でも、私と一緒だから総悟は狙われていたということでもあって。
「緑はねー、ずっと沖田総悟を狙ってたんだけど、隙がなくって断念したんだよー。常に二人の周りには真選組がいるって爪かじってた」
「えっ」
「さすが近藤達だな。きっちりA達に護衛を配置してたわけか」
「だから見廻り減らされてたんですかィ……。なんかムカつく」
なんでムカつくんだ？！
というか副長達……、わざわざ私たちのために人員をずっと割いていてくれていたって事？
……なんか、すごく申し訳ない気分になる。
「ちなみに加藤とかいう隊員の尾行という名のデートもずっと後ろに隊員が配置されてました」
「？！」
「ラブラブっぷりが見ていて辛かったです……。僕もAさんとデートしたいですね」
「なんでテメェが俺らの様子見てるんでィ」
「何かあってもすぐ駆け付けられるようにしてたんですよ」
能天気に何もないなー、なんて思ってたのは私だけで、周囲がすごく気を遣ってくれていたらしい。
………穴があったら入りたい。
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オートミール - こんなに読んで良かったと思ったことはありません\(>o<)ﾉ続きが気になります (2020年10月30日 0時) (
レス) id: 038dc633ea (このIDを非表示/違反報告)
だいふく(プロフ) - どのお話も面白くて可愛くて大好きです！更新楽しみにしてます。 (2020年8月23日 19時) (レス) id: 29daa5366e (このIDを非表示/違反報告)
ARMY52260289(プロフ) - 久しぶりにこんな面白い小説に出会いました。。。一気に読んでしまって勿体なく感じてます(._.)何度も読み返そうと思います！パン屋のレジ打ちさんもとても面白かったです。お気に入りの作者さんに登録させて頂きました。応援してます！ (2020年7月26日 17時) (レス) id: 5305a43fa0 (このIDを非表示/違反報告)
ミウラ(プロフ) - ほんとに面白くて好きです！更新楽しみに待ってます！ (2020年7月26日 12時) (レス) id: 3103cb23ea (このIDを非表示/違反報告)
からし(プロフ) - 餡子さん» コメント有り難う御座います！一気読みしてくださってとても嬉しく思います(о´∀`о) またお暇な時にでも見に来てくださったら嬉しいですー！ (2020年7月5日 21時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：からし | 作成日時：2020年6月16日 9時
