155、偶然? ページ8
ここで占師に会った、なんて言えば。
…まず間違いなく何を言われたか聞かれてしまう。
告白のタイミングを聞きました、だなんて告白相手に言えるはずもない。
「大丈夫。ちょっと疲れてたみたいだ」
「悪かった、お前ずっと帰りたがってたのにな…」
「う、ううん、大丈夫。大丈夫だから屯所に戻ろう」
すっかり暗くなってしまった道を歩き、未だ心配そうにちらちらとこっちを見てくる隊長と一緒に屯所にもどる。
屯所に戻っても隊長は心配のようで、暫く本当に付きっ切りだった。
嬉しいような恥ずかしいような、申し訳ないような。
ちょっと複雑な気分だった。
「結局旦那達も見つからなかったみてぇでさァ」
旦那からの電話だったようで、隊長は携帯を閉じるとそう言ってため息をついた。
まあ、あんなの探せという方が無理があるだろうなあ。
恐らくあれは…神出鬼没なんじゃなくて、意識だけがあの場に呼ばれているんだろう。
そうじゃないと昨日の事は説明がつかない。
十日後、夜の九時…いや、もう九日後…か。
その情報が本当なら……私はなんと言って隊長に気持ちを伝えればいいのだろうか。
「へ、加藤、その占師に会ったのか?」
「へんな婆ちゃんだったッス。ブツブツ変な事言ってて気持ち悪かったッスよ」
……ん?ちょっと待て。
変な、婆ちゃん?
「へえ。それで、なんて言われたんで?」
「今日の昼食に団子を頼むと良いことあるって言われたッス」
だから珍しくファミレスで団子なんか頼んだのか。
ずずずとお味噌汁を吸ってホッと息を吐きながら、加藤の話に耳を傾ける。
「にしても、なんだったッスかねあの人。なんか負けられないとかアイツを落として自分がー、とかわけわからないことばっかり言って…」
「どんな風に会ったんだ?」
「なんか、急に周りの景色が変わって…そこにその婆ちゃんだけいたッス。終わったら元の場所に戻ってたんでびっくりしたッスよ」
そこは私と一緒か。やはり神出鬼没というより…。
「まるでお前が呼ばれたみてぇな感じだなァ」
「ッス。神出鬼没ってのも納得出来ましたッス」
同一人物…なのか?
なんだか私が会った人が負けられないー、とかそんな事を言うようには見えなかったけれども…。
「他に変な事言っていたりしなかったか?」
「変な事ッスか?ずっと変だったッスけど…」
「あれ?てっちゃん?」
「え!?も、ももさん?!?」
おお、いいことあった。
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からし(プロフ) - るいさん» コメント有り難う御座います!好きと言ってもらえてとても嬉しいです^ - ^ これからも更新頑張ります! (2020年5月23日 21時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)
るい(プロフ) - うわぁぁめっちゃ好きです。めっちゃドキドキします。これからも更新頑張ってください! (2020年5月23日 20時) (レス) id: 7170045398 (このIDを非表示/違反報告)
からし(プロフ) - ゆに。さん» コメント有り難う御座います!夢主は作者の好みが詰め込まれているので可愛いと思って頂けたならとても嬉しいです!またお暇なときにでも見に来てくださいね^ - ^ (2020年5月20日 7時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)
ゆに。(プロフ) - たまたまこの作品を見つけたんですけど、ものすんごく面白いです。めちゃくちゃ面白いです。夢主ちゃんも可愛いし続きが凄く気になります!!頑張ってください!!! (2020年5月20日 0時) (レス) id: 9d3542e5d1 (このIDを非表示/違反報告)
からし(プロフ) - 猫とやぎさん» コメントいつもありがとうございます!作者も早くくっつけたいです!更新頑張りますね^ - ^ (2020年5月19日 22時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:からし | 作成日時:2020年5月18日 16時