男装パンダは恋を進めたい【沖田総悟】4

174、今更？ ページ27

「あ、そうだ。俺ら付き合うことになりやしたんで」
「………今更？」

何を言っているんだ？？

副長に書類を届けに行き、別の見なくてはならない書類を受け取っている最中にそんなことを隊長が言い出して、手から書類がこぼれ落ちた。
というか副長『今更』ってどういうことですか？？？

「てっきりもう付き合ってんのかと思ってたんだけどよ…」
「Aがあまりに恥ずかしがるもんだから、」
「何を言ってるんだ？！馬鹿なのか！？」
「ほらこうやって」
「あー、まあまあ。よかったな二人とも」

局長までなんでお祝いムードなんだよ…っ！
書類を拾い集めて、大きなため息をついた。
隊長は真っ先に加藤に報告したせいで、加藤は大声でおめでとうとかいうし。
隊員たちから変な目で見られるし。
もう色々踏んだり蹴ったりだった。

「ということなんでAに触った野郎は○○しやす」
「ちょっと待て総悟。お前何言ってやがる」

その通りです副長、もっと色々言ってやってください。

「余裕がねぇ男は嫌われるぞー？総悟」
「嫌われないんで安心してくだせェ近藤さん」
「その自信はどっから湧いてくんだよ…」
「んなもんA見てりゃ分かりまさァ」

一気に三人の目が私に向けられて、体が固まった。
……隊長、余計なことばっかり言いやがって…っ！

「もう戻ります！」
「あ、ちょい待ちなせェ」

さっさとこの場から立ち去るに限る！

「あ、Aちょっと待ってくれ」

局長に止められて、私は足を止めた。

「その。ちゃんととっつあんに報告しに行ってくれ」
「え……？長官にですか？」
「あ、ああそうだ。絶対、できれば今日今すぐに」
「あー、確かにそうだなすぐした方がいいうん」

副長も局長も顔を青くしながらそう言った。
………確かに、長官にはお世話になっているし、きちんと報告をした方がいいのだろう。

「分かりました…。今日向かいます」
「総悟も、くれぐれも頼んだぞ」
「もちろんでさァ」


局長の部屋から出て暫く歩く。
長官に報告、かぁ………。

「めんどくせェけど、その書類置いたらすぐに向かおうぜ」
「わかった」
「防弾チョッキどこにあったかな……」

え、そんな物騒なもの必要か？！

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