149、都合の良い事(別視点) ページ2
なんだかんだあっという間に眠りについたAの姿を見て、総悟は笑みをこぼした。
(何があったか知らねェが、意識しすぎだろ)
あの嵐の夜の一件以降、Aは異様に総悟に対して過剰反応をしている。
まさか自分が告白しているだなんて露にも思っていない総悟は、スヤスヤと眠るAの姿をしばらく眺めてから天井を見上げた。
元々Aは誰が見てもあからさまに総悟を意識してはいたが……、ここまでオーバーになると笑えてくる。
ちょっと手が触れただけで挙動不審になり、名前を呼ぶだけで顔を真っ赤にして顔を俯かせる。
ただそのせいで最近、『遂にですか?』と隊員からしょっちゅうきかれるのが少し鬱陶しくもあった。
その度にまだだって言うのが辛い。
(あー、早く全部俺のにしたい。いつになったら言うんでィ)
出来れば自発的に言って欲しいから無理矢理言わせるような行動を出来るだけ避けてきたが、総悟はそろそろ限界であった。
恋人同士がやるような事をしても良いくらいの間柄なのに、変なストッパーのせいでそれが出来ない。
本当だったらAをこれでもかという程構い倒したいというのにそれを理性とプライドでどうにか抑え込んでいた。
(あーあ、曙って野郎もまだ諦めてねェし、Aを可愛いかもとか言いやがる隊員も増えてきた。
さっさとしねェと本当に余計な虫がついちまいそうだなァ………。けどここで俺から言うのもすっげー嫌)
ということでA早くしろ。
そんな意味を込めて吐いた息は総悟にしかその意味は伝わらない。
チクタクと、静かな部屋の中に流れる時計の音を聞きながらつらつらと考え込む。
(……にしても、Aが隠してる事って一体なんなんだろうねィ。Aに逃げられたら追い詰めるのが面倒……じゃなくて困るから気にしないよう意識してるが……やっぱ気になるよなァ)
まさか女だったりして。
そう考えてないない、と総悟は首をつい振った。
(んな都合の良い事、あるわけねェか)
男同士でもいいと思ってAを追い詰めている総悟だか、Aが女である方が色々と都合が良い。
だからこそそれは自分の願望だと一笑して、それがまさか正解だとも知らずに総悟はごろりとAの反対側に体を向けた。
背中に伝わるAの熱を感じながら目を閉じて、額にかけていたアイマスクを目元へと戻した。
(……明日はAに何、しようかねィ……)
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からし(プロフ) - るいさん» コメント有り難う御座います!好きと言ってもらえてとても嬉しいです^ - ^ これからも更新頑張ります! (2020年5月23日 21時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)
るい(プロフ) - うわぁぁめっちゃ好きです。めっちゃドキドキします。これからも更新頑張ってください! (2020年5月23日 20時) (レス) id: 7170045398 (このIDを非表示/違反報告)
からし(プロフ) - ゆに。さん» コメント有り難う御座います!夢主は作者の好みが詰め込まれているので可愛いと思って頂けたならとても嬉しいです!またお暇なときにでも見に来てくださいね^ - ^ (2020年5月20日 7時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)
ゆに。(プロフ) - たまたまこの作品を見つけたんですけど、ものすんごく面白いです。めちゃくちゃ面白いです。夢主ちゃんも可愛いし続きが凄く気になります!!頑張ってください!!! (2020年5月20日 0時) (レス) id: 9d3542e5d1 (このIDを非表示/違反報告)
からし(プロフ) - 猫とやぎさん» コメントいつもありがとうございます!作者も早くくっつけたいです!更新頑張りますね^ - ^ (2020年5月19日 22時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:からし | 作成日時:2020年5月18日 16時