男装パンダは恋を忘れられない【沖田総悟】3

136、加藤のデートの結果は ページ38

「そうかそうか。それは良かったなあ」

加藤の言葉に私は何度も頷いた。
嬉しそうに当日の事を喋る加藤に、心の中で謝罪する。
すまん、会話は知らないけど行動は大体見てた。

「また遊びに行きたいって言ってメアド教えてくれたッス！」
「おー、カトーすげぇ進歩じゃねぇか」
「はいッス！これも副隊長と隊長のおかげッス！」
「よしじゃあ今日の昼飯奢りな」
「勿論ッス！」
「それで、メール何を送ったらいいッスかね？！」
「それぐらい自分で考えろ」

流石にそこまでは面倒見切れないぞ。
思わず即答してしまい、切ったハンバーグを口に入れる。
全く。ちょっとくらい自分で考えろ。

「あ、A醤油取ってくだせェ」
「ん？ん、」

口にハンバーグが入っていたので、適当に声を出して醤油を隊長に渡す。
受け取ったのを見てから手を離して一度箸を置いた。
ちょっと口に入れたサイズ大きかった…水…。

「……なんか、隊長と副隊長、仲良いッスよね」

その言葉に思わず咳き込みそうになる。
危ないハンバーグ吐き出すところだった。
水飲む前で本当に良かった…っ！

「当たり前だろうが。何言ってやがるカトー」
「？！」
「知ってるッスか？最近副隊長と隊長が出来てるか出来てないかで賭けが発生してるッスよ」
「？！？！」

何をやってるんだ隊員たちは？！
つかなんでそんな賭けが発生してるんだよっ！

「へー。どっちの方が多いんで？」
「付き合ってるの方が多い印象ッスね。実際どうなんスか？」
「……どっちだと思う？」

ようやくハンバーグを飲み込んで、私は声を荒げた。

「なんつー賭けしてるんだ馬鹿か？！」
「でも俺お似合いだと思うッスよ？副隊長は隊長にだけは表情柔らかいッスし」
「えっ？！」

加藤の言葉に思わず驚きすぎて水をこぼした。
隊服にかかってしまって思わずあー、と声がもれる。
ちょっと挙動不審…というか驚きすぎた。

「何やってるんでィ」
「あー、ごめん…。びっくりしてつい」
「ほら、貸してみなせェ」

自分でやるからいいです。
テーブルの上は加藤が拭いていてくれていたので、一つ礼を言ってふきんをとって隊服の上を脱いでから濡れた部分を拭く。
店内とは言え秋口は寒くて思わず身震いすれば、隊長が私に自分の隊服を被せた。

「風邪ひきやすぜ」
「あ、ああ。ありがとう」

そんな様子を見ていた、加藤が一言呟いた。

「…やっぱり付き合ってるんじゃないッスか」

付き合ってない！！！

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