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142、怪しい女(別視点) ページ44

「そこのお侍さん」
「んあ?なんでィ、お前」

総悟は土砂降りの中、コンビニから出ようとしたタイミングで女に声をかけられた。
それは見たことのない女で、この嵐の中総悟と同じくコンビニにきていたようだった。

「実はお願いしたいことがありまして…。少しだけ時間よろしいでしょうか」
「あー、俺も暇じゃねェんで他当たってくだせェ」
「息子と一緒に来たのですが、支払いの最中に外に出て行ってしまったみたいで…、一緒に探していただけませんか」
「……子供に目ェ離すんじゃねェや。特徴は」
「あ、ありがとうございます。特徴は黒い髪の男の子です」

この雨の中、子供一人をそとに放り出しておくのは危険だった。
だから総悟はすぐに帰りたい気持ちを堪えて外を歩き回る。

豪雨と強風のせいで、傘は煽られ体がどんどん濡れていく。
顔に当たる雨粒を不快に感じながらも、総悟は声を荒げた。

「おーいがきんちょどこにいやがるー!」

呼びながらこの豪雨の中あちこちをみて回るが、ふと違和感を感じて足を止めた。

(子供がこんな雨の中遠くまで歩けるか……?)

そうなるとコンビニの近くだろうと思い踵を返して周辺を探すことにシフトする。
しばらく探しても見つからず、とりあえず女と合流しようとコンビニへ戻った。
しかしそこには誰もおらず、しばらく待っても女は帰ってこない。

(……見つかったのかもしれねェな)

そもそも、子供一人が本当にこんな雨の中一人で出歩くだろうか。

(もしかしたら揶揄われただけかもしれねェし……)

雨に濡れた体が冷えて、くしゃみがでた。
流石にこれ以上は風邪をひいてしまうと思い、もう一度周辺を見渡してから総悟はマンションへと帰っていった。






「……ふーん、やっぱり結構なお人好しなのね」

総悟の行動を一通り見ていた女は、小さくそう呟いた。
雨に濡れる髪を気にも止めずに、にっこりと笑みを浮かべる。

「白があの子のどこに惚れたのか分からないけど……、利用させてもらうわよ、沖田総悟」

まあ今はまだ準備が終わってないから、見逃しておいてあげる。

そう言って女はくるりと踵を返した。

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からし(プロフ) - 猫とやぎさん» コメント有り難うございます!勉強大変だと思いますがその活力にこの小説がなれるなら嬉しいです^ - ^ 続編はもう公開してますから空いた時間にでも見に来てくださいね! (2020年5月19日 17時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)
猫とやぎ(プロフ) - コメント失礼します!!学校が始まり…帰ってくれば塾…と占ツクあんまり見れてなくて死にそうになってたんですけど、この小説見た瞬間生き返りました…!!続編とても楽しみです!!!頑張ってください!!超楽しみにしてます!! (2020年5月19日 15時) (レス) id: 497823dae0 (このIDを非表示/違反報告)
からし(プロフ) - 常夏さん» コメント有り難うございます!楽しんでいただけているのなら何よりです!是非続編も宜しくお願いします^ - ^ (2020年5月18日 19時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)
常夏(プロフ) - いつもキュンキュンして楽しませてもらってます! 続編も楽しみです(^^) (2020年5月18日 12時) (レス) id: 3853130063 (このIDを非表示/違反報告)
からし(プロフ) - 猫とやぎさん» 猫とやぎさん、感想をいつもありがとうございます!無事しっかりさせたようで良かったです^ - ^ 明日は更新できない可能性があって今日多めに投稿しましたが、明日も一話くらいはあげられるよう頑張りますね!また見にきてください(*^ω^*) (2020年5月16日 22時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:からし | 作成日時:2020年5月6日 21時

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