10、お弁当の恨みは忘れない ページ10
「あ、前に水くれた子じゃん」
なんで知ってんだよ!!??
あの時いびきかいてたじゃん!?!
「ひ、人違いだと思います…」
「いやいや、間違いねぇと思うよ?覚えてないかなー、道端で寝てた俺の腹にペットボトルの水置いてってくれたでしょ?」
強制的に肩を掴まれ振り向かせられてしまった。
わー、やっぱり銀髪天パのあの人だぁ……。
なんで、こういうことになるかなぁ!?
「あー、えっと…覚えてません」
「おいおい、ナンパはよくねぇよ」
「ナンパじゃねぇよ、本当の事だって!」
「その子は覚えてないって言うんだから離してやれよ」
その時、ぐうううと大きなお腹の音がサングラスの人から聞こえてきた。
…顔色悪いしよっぽど腹減ってるんだろうなぁ。
私はバックを漁ってお弁当箱を取り出した。
そこからお握りを取り出してサングラスの人に差し出す。
「え、俺に…?本当の本当にいいの?」
「お腹減ってるんですよね。凄く顔色悪いし…」
「恩にきるよぉぉぉ。あ、ありがとう」
泣きながら受け取って食べるサングラスを見てからふと手元を見るとお弁当の殆どが無くなっていた。
…天パはこう言うキャラだよね、知ってる。
知らないふりしてるけどほっぺに米粒ついてるよ。
私は少し残っているお弁当をサングラスに押し付けて走ってその場を後にした。
畜生、私のお弁当うううううぅぅぅぅ!!!
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作者名:からし | 作成日時:2020年3月31日 19時