46、無意識の中に(別視点) ページ46
※別視点
「来週だが、丁度夏休みと称して1日隊員の殆どが休みの日があるだろ?一緒に海に行かないか!」
そう誘ってきたのは近藤だった。
たまには羽目を外せと、警察庁長官松平の指示により、ある一部を除いた真選組員が1日休みを取っている日が来週にあるのだ。
昼寝でもして過ごそうと思っていた沖田は間を入れずに断りをいれるが近藤は一切聞いていないようで話が進んでいく。
「実はその日お妙さん達も海に行くらしくてな!あ、メンバーは万事屋とあのパン屋の子も来るらしいぞ!ストーカーの件もあるし行くべきだと思うんだよ、うん」
「ストーカーはテメェだろ…」
呆れたような表情で、タバコの火を消した土方が小さく声を上げたが近藤の片思い先、志村妙の水着姿の妄想でもう近藤の頭の中はそれどころじゃなくなっていた。
「実はお妙さんに似合いそうな水着をこの間買ってきたんだ!どう思う?!」
「うっわ…」
近藤が見せたのは明らかに布の面積が少ない、赤色のド派手な水着で土方が思わずガチ引きする。
流石にそれは酷い。
(あんなもんあの女に見せたら近藤さん今度こそ殺される…っ!!)
土方の頭の中はもうシミュレーション出来ていた。
近藤さんの葬式をする自分たちの姿が。
「分かった。ただしその水着は置いていけ」
「え、いやでもせっかく…」
「んなもん見せたら今度こそ殺されるわ!!マジでやめとけ!な!」
いやでも、と駄々を捏ねる近藤に土方は沢山の言葉を並べて説得をしようとしている中、沖田は面倒そうに頭をかきその場を離れた。
(あの雌豚が来るねぇ…。どこ情報なんだか)
気になるのはあの女、Aについているストーカーについてだった。
次の日にパン屋に行き、Aに海に行くとは本当のことかと問いかければ、そうですよと普通に返してきた。
(こいつストーカーに気付いてもいねぇのかィ)
一緒に行くのは万事屋のメンバーだと近藤が言っていたことを思いだして、つい面白くねェと呟いた。
何に対して面白くないのかわからないが、兎に角面白くない。
海はトンズラしておこうと思っていたのに、何故が行く気になっている自分に更に腹が立った。
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作者名:からし | 作成日時:2020年3月31日 19時