パン屋のレジ打ちさん【沖田総悟】1 (ページ43)

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43、マヨコーヒーは酷いページ43

首を傾げれば、なんのことかわかっていないことに気がついたみたいで、あぁ、知らないのかと呟いた。

「総悟が現行犯逮捕狙って動いてるぜ。お前の怪我見てすげぇ形相してたからな」
「沖田隊長が…？なんで…」
「さぁな。あいつなりに思うところがあんだろ」

頼んでいたコーヒーが届いて、わたしはそれに口を付けた。
苦いけど落ち着くコーヒーの独特の匂いで少し気持ちが落ち着く。

「もしあいつがあれを捕まえたら、沖田隊長じゃなくて取り敢えず沖田さん、って呼んでやってくれ」
「え？」
「俺だけ隊長呼ばわりってなんか不貞腐れてたぜ」
「え、局長もそうなんですけどね…」

というか敬わないと締め上げられるイメージがあり過ぎて。
かえって不機嫌にさせるような気もするが。
コーヒーをぼんやりと飲んでいると、こっちを見つめていた土方さんが、小さくあー、と呟いた。

「あんまり寝れてねぇみたいだな。怖いか」

そんなバレるような表情、しちゃってたかな。
思わず苦笑いしてコーヒーをテーブルに置く。

「…多分、家は特定されていると思うので、怖い、です」
「…本来ならいうべきじゃねぇんだが…。うちに監察担当の山崎ってやつがいる」
「あ、知ってます。うちにたまにパンを買いにくるんです」

「そうか、なら話は早い。あいつが夜お前の家を見張ってるから、心配ねぇ。ゆっくり寝ていざという時動けるようにしておけ」
「え、なんで、そこまで」
「今大きな事件がねぇってのもあるが、近藤局長が許可したんだよ。自分はあんな助け方しか出来なかったって悔やんでたぜ」

土方さんの元に来たコーヒーはすでにマヨネーズまみれだった。
…いいこと言ってくれてるのに、マヨコーヒーがきになる。
ねえ、飛び出てるよ、マヨネーズ。
それでいいの？？？おかしくない？？

「…助けてもらってばっかりですね、私」
「俺らはそれが仕事だ。気にすんな」

そう言ってマヨだらけの口をした土方さんはあんまり怖くなかったです。