40、未来が不安で ページ40
夕方、着替えを済ませた私達は柳生家の車に乗り込んだ。
みんな疲れているのかぐっすり眠っていて朝の騒がしさはない。
…私の頭の中は明日からの仕事のことでいっぱいだった。
帰りいつもつけられてるって言ってた。
ならもうきっとわたしの家は知られてるって考えたほうがいい。
優菜さんに相談…、いや、子供が3人もいる家庭に図太く上がり込めるほど私は図太くない。
…怖い。今度はこんな怪我じゃ済まないかも知れない。
じっと包帯を巻かれた腕を見つめて、震えそうな体を抑えた。どう、しよう。
考えはまとまらず、気が付けば車は朝の集合場所へ辿り着いていた。
「送ってく。家どの辺?」
「大丈夫です!また誘ってください!」
みんな心配してくれたけど、大丈夫だと笑って手を振る。
怖くてみんなの姿が見えなくなってからは走って家まで戻った。
家は特に荒らされている様子はなかったけど、チェーンもしっかりかけて変なものが無いか一個ずつチェック。
盗聴器とか、カメラとか無いかなって心配になってしまって。
特にそれらしきものはなくて、とりあえず一息つく。
家の中にいるのも怖いし、外に出るのも怖い。
折角始めてこの世界で海に行ったのにこんな思い出になっちゃうなんて。
わたしは声を殺して泣き続けた。
泣き疲れてから、お風呂に入って布団に入るけど勿論眠ることなんて出来なくて。
これからが凄く不安になった。
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作者名:からし | 作成日時:2020年3月31日 19時