検索窓
今日:61 hit、昨日:8 hit、合計:262,799 hit

39、海での邂逅 ページ39

「怖かったね、もう大丈夫。一緒にみんなの所に戻ろう」

局長はびっくりするほど優しくて、震える体を抑えながらゆっくり戻っていった。

みんながいた海では坂田さんがキョロキョロと辺りを見渡しているのが見えて、局長がおーい、万事屋ーって声をかけたらこっちを向いて走って駆けつけてくれた。
あー…帰ってこれた…。

「…おい、あの男は」

私の震える様子を見て察してくれたらしく、怒ったような表情で局長に詰め寄るが、局長はまぁまぁ、と坂田さんを宥めた。

「今はそばにいてあげてくれ。腕も手当てしないと」
「腕?見せてみろ」

いつものおちゃらけた坂田さんじゃなくて、驚愕しながらも私は素直に腕を見せた。
こりゃひでぇ、と呟いて無事な方の私の腕を引く。
確かに私の腕は人の指の痕がくっきりと残っていた。
う…気持ち悪い……。

「救急箱がテントにあっから。とりあえず手当てしようぜ」

まだ震えが止まらない。
ストーカーって、こんなに怖いものなの。

テントまで戻ってきたら、ビーチ用の椅子に私を座らせて坂田さんは丁寧に私の腕の手当てをしてくれた。
痕が見えなくなれば少し気持ち悪さも減って息を吐く。

包帯を巻いたあと、坂田さんの羽織っていた上着を私にかけて頭に手を乗せた。

「…怖かったな。何もされなかったか」

その言葉に頷いて、ゆっくり息を吐いた。


震えはだいぶおさまってるけど、恐怖はあんまり消えてくれない。

40、未来が不安で→←38、海での邂逅



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (87 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
194人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 沖田総悟   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:からし | 作成日時:2020年3月31日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。