17、万事屋にて ページ17
元気になってから次のお休みの日、サングラスを探しに公園にきていた。
この間よりも多めの手荷物を背負いキョロキョロしていればベンチに座ってぼうっとしてるサングラスを見つけ駆け寄る。
「こんにちは」
「うわっ、びっくりし…あ、お弁当の子!」
向こうも覚えていてくれていたらしい。
「ちょっと聞きたいことがあって。これよかったらどうぞ」
今度は使い捨てのパックにお弁当を詰めてきていたのでサングラスに渡せば嬉しそうに破顔した。
「なんでも聞いてよ!」
「ありがとうございます。あの、この公園でよく遊んでいる白いビックリするくらい大きい犬とその飼い主さんのお家知りませんか」
隣に腰をかけてそう言えば、知ってるよと答えが返ってきた。
すでに食べてるし…。まぁいっか。
「先週お世話になったのでお礼したくて、よければ案内してくれませんか」
そう言えば全然良いよと快諾してくれたがその後少し表情がくもった。
「お弁当箱、返せなくなっちゃって。ごめん」
「じゃぁ今日案内してくれたら全部許します」
そう言えば曇った表情を戻してまた笑顔になった。
マジもんの万事屋だぁ。
階段下でここだから、と案内されて長谷川さん(道中自己紹介する羽目になった)と別れた私は外階段を登り万事屋の玄関前にいた。
…なんかめっちゃ感動するけど、どんどん関わっちゃってるんだよな。
インターホンを押せばしばらくして新聞はお断りだと言いながら天パが出てきた。
うわ、そっちか。
「あれ、この間の弁当の子じゃん」
「えっと…眼鏡の子と力持ちの女の子いますか」
「おー、いるぜ。まぁ中入れや」
普通に室内に案内されてしまってちょっと吃る。
声が、本当天パの声が好みすぎてマジやばいんだって!
意を決して室内に入れば、二人がたしかにいた。
…あれ、一人忍者っぽいのがいるな、気のせいかな。
気のせいだよねうんそうしよう。
「もう体調は大丈夫ですか?」
眼鏡君が心配そうに聞いてくれて、私は笑顔で頷いた。
「おかげさまで。本当にありがとう。これお礼」
眼鏡君に渡したのはちょっと有名なタオルとクッキーの詰め合わせ。
チャイナ娘に渡したのは大量の酢昆布とチョコレート。
「うわ、こんなにいいんですか?!」
「酢昆布大量アル!!」
「え、ちょ、俺には?!」
「お弁当食べられた恨みならありますよ」
そう言って笑えばがっくりと肩を落とした。
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作者名:からし | 作成日時:2020年3月31日 19時