【ヒロアカ】光速、遠回り【相澤消太】 (ページ6)

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「で、何があったんだ？」

コーヒーを一口飲んで、相澤君はそう口火を切った。
テーブルに向かい合い、眩い朝日が部屋を照らす。

「敵の何らかの策に引っかかった」

「何らかの策･･････？」

「うん。個性を使った瞬間、何かが爆ぜて目の前が真っ白になったの」

「それで、120日間、どうやって生きてたんだ？」

「･･････それがさ、その120日って私にとってはたぶん5時間くらいだったんじゃないかなって」

「相対性理論か」

「うん」

私の個性は光。

身体を光にできる。
そのため発光したり、光速で移動したりできる。
その光速移動がかなり厄介。

相対性理論で浦島的な感じで光速(といっても亜光速)で動くと実際の時間と私の時間にズレができる。
だから長時間使用すると、未来に飛ぶことになる。

＿＿まあ簡単に言えば1人タイムマシン(未来行き限定)。

「個性発動時に攻撃をくらうなんて初めてだったからさ」

「･･････にしても、その若返りはどうする」

「しばらくヒーロー活動は中止かなぁ。個性に異常がないかも検査しないとだし」

「その分だと、身体が個性伸ばしの前に戻ってる可能性があるな」

相澤君の言葉に嫌な汗をかいたのがわかる。
＿＿つまり、雄英入学前の状態ってこと？

「個性のコントロールも効くか試した方が良いだろうな」

「･･････もし戻ってたら？」

「雄英に再入学するか？入試から」

クツクツと小さく笑う相澤君。
本当にそうなりかねないから、やめてほしい。

けれどもし個性の状態もリセットされてるなら、ヒーロー活動も正常にできないし、鍛え直さなきゃならない。

フーッとコーヒーの液面に息を吹きかける彼を見る。

鍛え直すにしても、ヒーロー育成の専門家が側にいるから、平気かな。

「どうした、そんなに見つめて･･････」

「私は恵まれてるなーって」

「？そうか」

相澤君は不思議そうにしつつも深くは尋ねなかった。

あの空の冷蔵庫で朝食が用意できるわけでもなく、何も食べないまま彼は雄英に、私は自宅へと戻った。