【ヒロアカ】光速、遠回り【相澤消太】 (ページ5)

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episode 2 おかえりページ5

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「･･････い！･･･ろ！おい、起きろA！」

目を閉じたまま、切羽詰まったような相澤君の声を聞く。

出動要請？敵でも出たわけ？

って、違う。
そうだ。相澤君、私が幻覚だと勘違いしたままだ。

説明責任、のワードが脳内をチラつく。
しょうがない。起きるか。

「ん、おはよ」

「A、どういう事だ？何が･･････」

あれ･･････何で私幻覚だと思われてたんだっけ。
･･････ああ、100日失踪してたんだった。

「んー･･････生きてます。元気です。あ、頭に傷がちょっとある」

相澤君は、素早く私の頭を両手で押さえると自分の方に引き寄せ傷を確認する。

あったかい体温に擦り寄れば、くすぐったそうに身じろぎしつつも私の髪をかき分け傷を探す手は止まらない。

「何で早く病院に行かないんだ」

「だって、血ぃ止まってた･･････」

「痛みは？」

「触んなきゃ平気」

怪我が大したことないと安心してか、相澤君は息を吐く。

「で、どうしてそんな姿なんだ？」

「そんな姿･････？」

今まで何してたんだと聞かれるとばかり思ってたから予想外の質問に、戸惑う。

「昨日事務所寄って着替えた」

「そうじゃない。何で＿＿若返ってるんだ！」

「･･････え」

「傍から見たら女子高生とアラサーのおっさんが寝てる状況だぞ。マズいだろ、色々」

相澤君の言葉をぼんやりと聞きながら、手足を見る。
言われてみればヒーロー活動してから出来た傷がない。

目線の高さ変わんないし、体格もそこまで変化してないから全然気づかなかった。

けどそれより先に＿＿

「･･････相澤君、色々心配かけてごめんね」

まずは謝罪をと、口に出す。

すると、相澤君はごくりと唾を飲むと、急に昨日の夜のあの顔になった。
そして、また口元を手で隠す。

「ああ･･････おかえり」

「うん、ただいま」

「･･････120日だ」

「それって･･････」

「お前が行方知らずになってからの日数だ」

相澤君はベットに腰掛けた状態で、寝転ぶ私の頬を撫でる。

「死んじまったかと思った。毎日生きてる気がしなかった」

「ん。クマできてる」

そーっと相澤君の顔に手を伸ばし、目の下を撫でる。

「夜も眠れなかった。山田にも心配かけた」

「うん。ごめんね」

それから、しばらく何も言わないで見つめ合った。

相澤君が顔を寄せる。
静かに目を瞑る。
唇を重ねた。