【ヒロアカ】光速、遠回り【相澤消太】 (ページ2)

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episode 1 ただいまページ2

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やば。気失ってた。

「ったぁ」

ドサッと倒れ、打ったお尻を撫でる。
すると、手が真っ赤な事に気づいた。

血･･････？誰の。あ、私だ。

後頭部を触れた瞬間鈍い痛みと、傷の感触。
もう血は乾いてるな。

ここ、どこだ？
たしか夜中に現れた敵がいて、そいつら捕まえて･･････
そうだ。逃げ出した1人を追いかけて･･････

《ハハこうなりゃしまいだ》
《せいぜい苦しめ》

ぼんやりと思い出す敵のニタニタした口元。
顔はハッキリとはわからない。

あの時、敵を気絶させてから連行しようと個性を使った。
その時、何かが破裂したような気配がした。

＿＿＿白が全てを覆った。

「･･････とりあえず、家帰ろ」

仮にもヒーローがボロボロの姿を市民に晒すわけにもいかないな･･････

人通りの少ない裏道を辿る。

サイドキック、欲しいな。
こういう非常事態に1人は寂しい。

強い風に抗うように歩いていれば、新聞紙が飛ばされてきた。
パッと捕まえて開かれたページに目を移す。

［フラッシュ失踪から100日目］
［各地で無事を願う声］

コラムほどの小さなスペースに貼られた自分の顔写真。

いやいや待てよ。100日目だって？
なんの冗談だ。

たしかに夜倒れたのに、太陽が真上にあるから、それなりに気絶はしてただろうけど。

という事は、この強い風は春一番って事？
まさか気絶して、一冬超えてたなんて。
私は冬眠するクマかっつーの。

「あー、しくった･･････」

あんなチンピラ同然のガキに遅れを取ったとはね。
このバグった時間経過は私の個性の影響でも、引き出させたのはあの敵。

色んな人に心配かけちゃったな。

八つ当たりするように新聞をぐしゃぐしゃに丸めて、ポケットに･･････
そうだ、ヒーロースーツじゃん。ポケットないや。

ヒーローがポイ捨てするわけにもいかない。

軽くため息を吐いて、丸めた新聞を握り自分の家へと急いだ。